飲み比べてみる?
スペック
名前 | ピーツビースト |
タイプ | シングルモルト |
製造元 | 不明 |
ボトラー | フォックス・フィッツジェラルド社 |
アルコール度数 | 46度 |
容量 | 700ml |
購入時価格 | 4,510円(税込) |
ヘビリーピーテッドな出所不明の”スコッチ”
ホワイト&マッカイの地域ディレクターとして、ダルモア、ジュラ、その他のブランドの販売を担当していた人物、イーモン・ジョーンズ。
彼の知人で輸入業者であったジェラルド・エルドリッチ。
2人は、自分たちの専門知識と材料を駆使し、1つのブランドを作ろうと決めました。
恐ろし気なモンスターと一部焼けた風なラベルが印象的なパッケージは、友人のマーク・グラハムと、LA在住のブラジル人アーティスト、ダグ・アルベスのコラボレーション。
アイコニックなキャラクター、ビーストが誕生しました。
このビーストにパンチを効かせるために、さらに素晴らしい才能が必要になりました。
業界の伝説的存在「ザ・ノーズ」と呼ばれるホワイト&マッカイのマスターブレンダー、リチャード・パターソンは煙と炎で飲む人の感覚を刺激させる獰猛な獣を思わせる味を提案し、そしてイーモン・ジョーンズの30年来の同僚であるエイダン・スミスによって、品質を維持されています。
こうして「ピート・ビースト」は多彩な頭脳が結集し、2011年に誕生しました。
ピーツビーストは、フェノール値が35ppm(parts per million)のヘビーピーテッド・シングルモルトウイスキーです。
ヘビリーピーテッドと言えばアイラのウイスキーを思い浮かべると思います。
ですが、ピートズビーストは「強烈なピーテッド・シングルモルト・スコッチウイスキー」と銘打っていて、スコットランドのどこの蒸留所で作られたかは言及していません。
アイラ島生まれかもしれませんし、そうではないかもしれません… 。
ピートは比較的最近までスコットランドの主な家庭用燃料でした。
苔や植物、木の根などの腐った植物からなる柔らかくスポンジ状の土は入手も簡単で、燃やすと非常に煙が多く、芳ばしい匂いがします。
ウィスキーの生産工程で麦芽を乾燥させるためにピートを使用すると、高いフェノール特性が非常に珍重されるようになりました。
ピートスモークは、アイラ、ハイランド、アイランズ、スペイサイドなどの蒸留所でも使用され、蒸留酒は、タール、ヨード、煙、塩辛い海水などの豊かな香りを帯びていることが感じられます。
ピーツビーストは、淡い色調の若くて極めてピート香の強い、アルコール度数46%のシングルモルトウイスキーで無着色で冷却ろ過されていません。
バーボン樽で熟成され、インディペンデント・ボトラーのフォックス・フィッツジェラルド社によってボトリングされています。
飲んでみた感想
香り
ピーツビーストの名前やラベルのデザイン、巷の評判から、いきなり「ガツンとピート」だろうと想像しながら鼻を近づけていったんですが、そこまでがっつりとピートを感じるほどではないかな。
むしろ甘味を感じるというか、所謂お花畑的な匂いですね。
それに加えて揮発性の塗料みたいな感じ。
香りの全体像としては、ハイランドとかスペイサイドのウイスキーを連想させる香りが漂っていますね。
そして、ピートはそこそこ強く香っているんですが、アードベッグ やラフロイグのような強烈さはありません。
ストレート
ここで「ガツンとピート」が来ました!!
辛味とピートが最初に感じられて、すぐに塩味、甘味ですね。
アルコール刺激もそこそこ強いので、かなり強烈なインパクトを感じます。
だけど今まで飲んできたアイラウイスキーのピート感とはちょっぴり違うような気がするんですね。
スモーキーであるというところを除くと、香りの時にも言ったような一般的にハイランドとかスペイサイドのモルトに感じる味わいなんですよ。
甘味もあるしピートも効いているけど、辛口なウイスキーという風味。
加水
ちょっとだけ水を足してみます。
この飲み方だとアイラっぽいピートを感じますね。
辛みや刺激は少し弱まって、甘味とスモーキーさが強くなったと思います。
ストレートより飲みやすいかな。
もう少し水を加えてトワイスアップにしてみます。
最初にこの飲み方で飲んでいたら、味わいが軽いながらもラフロイグかなと思っていたかもしれないですよ。
それくらいおなじみのスモーキーなピーテッドウイスキーと言った味わいです。
甘味はだいぶ引っ込んだんですが、安心して飲める口当たりだと思いますね。
オンザロック
甘くてスモーキー。
かなり煙たい感じですよ。
そして塩味もそこそこ強いです。
後味に苦味がしっかりありますけど、美味しくいただけますね。
心地よく全身にアルコールが届いてく感じがするんですよ。
まさに五臓六腑に染み渡るというやつでしょうかね、こういうのが。
「今日はじっくりオンザロックでスモーキーなウイスキーを飲みたいよ!」っていう時にこれはとってもいいんじゃないかなと思います。
水割り
まずはスモーキーです。
そして甘味苦味酸味が後から付いてくる感じですね。
でもこれは一言で「ピートの効いた炭っぽいスモーキーな水割り」と言っていいんじゃないでしょうか。
スモーキーなウイスキーが苦手な方にはお勧めできない水割りじゃないかな。
ハイボール
スモーキーでやや甘口、そして適度に酸味の効いた美味しいハイボールです。
後味にちょっぴり塩味があり、うっすらと程よい苦味がありますかね。
まず始めにハイボールで飲んだら、何の疑いもなくアイラウイスキーだと思うでしょうね。
でもこれはアイラかどうかわからないんですよね。
謎のウイスキーということでその辺ははっきりしないんですけど、何しろ美味しいハイボールです。
飲み進めていくうちにスモーキーながらも、フルーティーさも感じられるようになってきました。
ウイスキーミスト
クラッシュアイス でソーダ割りを飲んでみると、ロックアイスのハイボールと比べてさらにフルーティーさが増した感じです。
酸味もこちらの方がしっかり感じられて、その分スモーキーさが優しくなりました。
しっかりとピートの効いたスモーキーハイボールを飲みたいのであれば、ロックアイスで作ったハイボールの方がいいと思いますよ。
総評
ストレートで飲んでいる時は「無理やりピート感を醸し出したハイランド系のウイスキー」といった感じの複雑な味わいだったんですが、他の飲み方だとそれが全て払拭されて、むしろ好感の持てる味わいになっていると思いました。
どこの地域の何というウイスキーなのか推理しながら飲むのが楽しみになる、というのがよくわかりますね。
アイラモルトじゃないかとも言われてますし、スペイサイドのベンリアックと言う噂もちらほら聞きます。
僕はベンリアックというウイスキーを飲んだことがないので何とも言えないんですが、ストレートで飲んだ時の印象からするとアイラというよりも、ハイランドもしくはスペイサイドなのかなと思います。
いきなりオンザロックやハイボールで飲むとその辺がちょっと分かりづらくなるかもしれません。
けど、しっかり香りを嗅いでストレートでも飲んでみるとこれはハイランド系かなって思えなくもないので、何とも謎なウイスキーですね。
美味しくいただけました。
甘味
酸味
苦味
辛味
燻味
塩味
刺激
コク
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