ここではアーストンにさせていただきました。
スペック
名前 | アーストン 10年 ランドカスク |
タイプ | シングルモルト |
地域 | ローランド |
製造元 | アイルサ・ベイ蒸留所/ウィリアム・グラント&サンズ社 |
アルコール度数 | 40度 |
容量 | 700ml |
購入時価格 | 3,828円(税込) |
アイラとはひと味違うローランドのピーテッドモルト
2007年、この頃ウィリアム・グラント&サンズ社のブレンデッド(ファミリー・リザーブなど)が好調な上、シングルモルトのグレンフィディックとバルヴェニーに対する需要も伸びたため、レディバーン蒸留所があったガーバンの土地に8基のスチルを備えた年産500万リットルのアイルサ・ベイ蒸留所を建設しました。
この蒸留所が「アーストン」の製造を担っていると言われています。
アイルサ・ベイ蒸留所は、クライド海岸にあり、アラン島を臨んでいます。
名前の由来は2つの間にあるアイルサ・クレイグ島です。
科学的に品質管理を徹底し、スモーキーさの測定指標であるフェノール値(PPM)の他に、スウィートさを測るSPPMという測定指標を導入しました。
更にマイクロ熟成という概念から、緻密な熟成管理を実施。
2016年には待望のシングルモルトウイスキーをリリースしました。
2018年には「アーストン」シリーズを発売。
シリーズには「シーカスク」「ランドカスク」があり、ともに10年熟成のシングルモルトです。
「シーカスク」は、沿岸部での熟成の影響を強調するように、「ランドカスク」は、さらに内陸の倉庫で熟成され、ハイランド産ピートを使用し、甘くスモーキーなモルトに仕上げられています。
スコッチウイスキーにおける「味覚メッセージの簡素化」を目指し、ウィリアム・グラント&サンズ社の2人はこう述べています。
マスター・ブレンダーであるブライアン・キンズマン氏
「私たちは、1つのブランドが、スコットランドの環境とウイスキーを熟成させる要素からインスピレーションを得て、全く異なる、とても刺激的な2つの風味を開発しました。10年という熟成年数から、初めて飲む人だけでなく、経験豊富なシングルモルト愛好家も興味をそそる、深みのある味わいの充実したシングルモルトウイスキーが期待できます」
イメージ的に海の近くで熟成されたモルトはピーティーな印象がありませんか?
このシリーズは逆で内陸で熟成された「ランドカスク」の方がピーティーになっています。
飲んでみた感想
香り
まずピートですね。
と言っても、ものすごくヨード感の強いアイラのピートとはちょっぴり違って、とても奥行きのある、ちょっと大人しめなピートの香りです。
古い木製の家具のような匂いとお香のような・・・ちょっと草の香りですかね。
そしてバターに砂糖を混ぜたような甘い感じもします。
ストレート
アルコール刺激が強く感じられて、味も濃いんですが、あまり主張がない、大人しめなテイストです。
逆の見方をすると全ての味がものすごく強いのかもしれません。
とにかく味は濃いんですが、甘味や辛味など特定の味わいが強いとはあまり感じないですね。
ピートは強く感じられるんですが、わりと穏やかと言うかまろやかなビート感です。
コクのあるどっしりとした味わいかなと思います。
加水
少しだけ水を加えてみます 。
アルコール刺激はだいぶ抑えられました。
やっぱり全部の味覚の主張が強いんでしょうね。
それも、ストレートで飲んだ時よりも、それぞれバラバラに主張してるんです。
ストレートで飲んだ時にピート感を感じたんですが、酸味に変わったようで、そこそこ強いです。
もう少し水を加えてトワイスアップにしてみます 。
甘味がかなり前に出てきてまろやかな味わいになりました。
後味に苦味とスモーキーさがあるんですけど、比較的飲みやすいですね。
これだけ水を加えても、しっかりとした味があるので改めて度数を確認してみたんです。
やっぱり40度ですよね。
もっとアルコール度数があるように感じられました。
オンザロック
甘味と苦味、酸味が前に出てきましたね。
そして炭っぽさを感じます。
辛味も程よくあって適度なアルコール刺激もあるという味わいです。
余韻に少し苦みと燻味はあるものの、後味は割とすっきりしています。
濃いめの味なのでじっくりと氷を溶かしながら飲んでくのがいいんじゃないでしょうかね。
水割り
比較的甘口でやんわりとスモーキーフレーバーが感じられる味わいです。
スッキリと飲みやすいですが、後味にちょっぴり何か引っかかるものと言うか残ってほしくない味があるんですよ。
それが特に苦味だったりなんかだったりっていうわけではなく、なんか独特の余韻みたいのがあって、その辺で好みが分かれるんじゃないかと思いますよ。
僕はちょっと苦手です。
ハイボール
苦味と酸味が強くて甘さ控えめなスモーキーハイボールです。
このスモーキーフレーバーはピーティという感じではないんですね。
言い方を変えるとアイラのスモーキーさとはかなり違います。
飲んでいる時の味わいとしては、割と美味しいかなと思うんですが、水割りと同様に余韻に何か引っかかるものがあります。
グラスを置いてしばらくしてからあまり心地よくないのが感じられます。
本当に口をつけている時にはどちらかと言うと美味しいので、そこだけが残念ですね。
ウイスキーミスト
ハイボール同様、苦味と酸味は強いんですけど甘味が少し出てきて、 フルーティさも程よくあると言う感じです。
しかも嫌な余韻があまり感じられないので、こっちの方が美味しく飲めますね。
ウイスキーミストは氷が細かく解けるのが早いので、薄まった感じが丁度いいみたいです。
やはり全体の味が濃いのでしょうか。
こうやって比較的短時間で薄まっていくような飲み方の方が美味しくいただける気がします
総評
スモーキーなローランドモルトというイメージを持って飲み始めたんですが、アイラのスモーキーさとはかなり違っていて、どちらかと言うと炭っぽい感じです。
ウイスキーミストではかなり美味しく頂けましたので、是非クラッシュアイスでハイボールを作って飲んでいただきたいかなと思います。
このアーストーンというウイスキーはもう少し工夫をすれば人気が出るんではないかな。
現状では知名度の低さはやむを得ないのかなと感じました。
甘味
酸味
苦味
辛味
燻味
塩味
刺激
コク
お気に入り度