オーヘントッシャン スプリングウッド

シングルモルト
「オーヘントッシャン」とは、ゲール語で「野原の片隅」の意味なんですよ。

スペック

名前オーヘントッシャン スプリングウッド
タイプシングルモルト
地域ローランド
製造元オーヘントッシャン蒸留所
アルコール度数40度
容量1000ml
購入時価格4,180円(税込)

塩気の強いウイスキーという印象

オーヘントッシャン蒸留所の歴史は諸説あり、公式では1823年にグリーノック出身の技師ソーンによって設立したとあります。
他に地元のトウモロコシ商人ジョン・ブロッグが設立した説、1817年にジョン・ブロックによって設立説などがあります。

グラスゴーの西に位置するダンバートンシャーのオーヘントッシャンの地に設立されたラダントーチャー蒸留所は、わずか5年後に倒産。
蒸留所は1834年にジョン・ハートと地元の農家アレクサンダー・フィルシーへ売却。
売却の条件のひとつはジョン・ブロックが蒸留所の敷地内で家賃なしで余生を送ることだったそうです。
この時にオーヘントッシャン蒸留所と名前を変更し、その後44年間はフィルシー家所有でした。

1878年にC.H.カーティス社が買収、1903年​​にはジョン&ジョージ・マクラクラン社がオーヘントッシャン蒸留所を買収します。
20世紀初頭のグラスゴーは、工業の中心地で蒸留所周辺は工業都市として発展していきましたが、第二次世界大戦が勃発。
1941年になると戦火が広がり、ドイツ軍の爆撃がクライド川とその造船所が標的になり、蒸留所は倉庫が破壊されてしまいました。
大きな被害を受けた蒸留所は1948年までウイスキーの生産を中止していました。

1960年にグラスゴーのビールメーカーJ&Rテネント社に、1969年にはホスピタリティ企業イーディー・ケアンズ社に売却されました。
ケアンズ社は自社のホテルやレストランを通じて、シングルモルト「オーチェントシャン」を販売し始めます。
1984年スタンリー・P・モリソン社(現在のモリソン・ボウモア・ディスティラーズ社)が買収、1994年にはモリソン・ボウモア社を買収したことから、日本企業のサントリーが現在のオーナーになっています。

オーヘントッシャン蒸留所があるローランド地方は穏やかな気候で、ライトなウイスキーが作られています。
特にオーヘントッシャン蒸留所はスコットランドで唯一、ローランド地方の伝統製法である3回蒸留を今も守って作られているので、より軽く、より繊細な風味が生まれます。
そのため「オーヘントッシャン」はライトでカジュアルさから朝食に合うウイスキー、グラスゴーに近いこともあり都会的でカジュアルなシングルモルトとして知られています。

2012年、オーヘントッシャンは免税店向けのシリーズ5本をリリースし、それぞれにウイスキーの熟成に重要な役割を果たす木材の名前が付けられました。
「オーヘントッシャン・スプリングウッド(木の成長の若々しい時期)」は100パーセント元バーボン樽で熟成しています。
年齢表示はありませんが、スプリングウッドの兄妹「オーヘントッシャン・ハートウッド」よりも若いウイスキーが含まれているようです。
現在スプリングウッドは公式ホームページに掲載されていません。

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飲んでみた感想

香り

メロンソーダのような香りとボンドの匂いが一緒に感じられます。
ちょっぴりピートも香っているんじゃないかな。
マーガレットのような匂いもほのかに漂ってきますね。
アルコール刺激は弱めです。
口に含んだらとても優しい甘口なんじゃないかな、という想像をしてしまいました。

ストレート

意外や意外、まずは塩味ですね。
その後から甘味とちょっぴり苦味が追っかけてくるような感じです。
後味では苦味が残りますかね。
そしてわずかながらスモーキーな感じがします。
余韻には甘味があり、ノドの奥の方に心地いい刺激が残りますね。
なんだかメロンやバナナのようなフルーツを食べながら飲んでみたくなるような気がします。

加水

まずは少しだけ水を足して飲んでみます。
さらに塩味が強まった感じです。
後半で甘味や苦味があるんですけど、塩気が勝ってますかね。
そして、やはりちょっぴりスモーキーな感じがあります。
だから尚更、磯の感じが漂ってきますね。

もう少し水を加えてトワイスアップにしてみます。
もろに塩っぱいです。
甘味もあるんですけど、甘じょっぱいというよりは、しょっぱ甘いという感じです。
水を足せば足すほど、塩味がどんどん前にでてくる感じですね。
ちょっと塩を振ったんじゃないかっていうぐらいの塩味です。
ウォッカとかに塩を混ぜていくと、こんな味になるのかな。
ここで好みは分かれると思うんですけど、僕は嫌いではないですね。

オンザロック

スイート&ソルティー&ビター。
甘味から塩味そして苦味と言った味わいなんですが、とても奥行きを感じますね。
コクが深くてじっくり飲んでいきたい、美味しいオンザロックだと思います。
ここで初めて甘味が最初に感じられたんですね。
もしかすると冷やしたことで、甘味が前に出てきたのかもしれませんね。
だけどすぐに塩味や苦味がやって来つつ、ほんのりスモーキーなテイストです。
口当たりはウッディかつオイリーです。

水割り

甘味と塩味がガチンコ勝負な感じです。
加水した時の味わいに似てはいるんですけど、水割りではオンザロックと同様に塩味より甘味が先に感じられます。
だからやっぱり氷を入れて冷やすと甘味がちょっと前に出るのかな。
後味に辛味とちょっぴりスモーキーさがあります。
口当たりは割と軽やかで飲みやすいんですけど、やっぱりしょっぱい感じがしますので。塩っぽさが苦手な方はあまり美味しく感じられないかもしれないですね。
そして、甘味から入ったとは言うものの、水割りとしては比較的辛口だと思いますので、甘いのが好きな方にも向かないかもしれないです。

ハイボール

やや甘口でフルーティーでソルティーなハイボールです。
後味にちょっぴり苦味とスモーキーさがあります。
青りんごサワーに少し塩を振るとこんな味わいになるんじゃないかな、と言った言い方もできますね。
水割りほどしょっぱい感じが気にならないのであれば、美味しく飲めるんじゃないかとは思います。
ですが、塩気の強いお酒、特にウイスキーは嫌いという方には向かないかもですね。

ウイスキーミスト

甘口でフルーティー、そしてちょっぴり苦味があるかな。
スイートビターな感じです。
塩味はだいぶ弱まりました。
しょっぱさはほとんど感じないんですけど、何口か飲んでいくと塩気がちょっぴりですがやっぱりあるのと、後味に酸味が残りますね。
大きめの氷で作ったハイボールでは酸味があまり強くなかったんですけど、フラッシュアイスで作ったソーダ割りではそこそこ酸味もあってバランスよく味わえますね。
ハイボールとウイスキーミスト、どちらのソーダ割りの方が美味しいかは好みだと思います。
僕は個人的にどちらも甲乙つけがたいですし、その時の気分で飲み分けたいなと思いました。

総評

塩味がとても強いウイスキーだなという印象です。
今まで飲んできたウイスキーに塩味をここまで強く感じられたものがあまりなかったので、ちょっと意外性というか、こういうウイスキーもあるんだなと思いました。
いつも新たな銘柄を味わう時には、インターネットの情報とか他の方の感想から先入観を持たないようにしないようにしてるんですが、他の方がこれをどういう評価をしているのか気になってきました。
僕はいい塩味というのを強く感じて、「むっちゃソルティーなウイスキー」と評価したんですが、そんな評価をしてる方が他にいらっしゃるのか・・・。
やっぱり気になるんで、これから他の方の感想を読ませていただこうと思います。

僕はとても塩気の強いウイスキーだなという印象を持ちました。
そして、これは僕の新たな発見でもあります。
甘口なウイスキー、スモーキーなウイスキー、ウッディナ味わい、シェリー樽熟成など色んな特徴を持ったものがありますが、中でも僕はピートの効いたスモーキーなウイスキー、シェリー樽熟成の甘口なウイスキーなどが好きでした。
ですが、今回のスプリングウッドを飲ませていただいて新たな好み、それはソルティーなウイスキーが加わった気がします。

甘味

5.0

酸味

3.0

苦味

5.0

辛味

4.0

燻味

4.0

塩味

7.0

刺激

4.0

コク

5.0

お気に入り度

8.5
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