フィンラガン アイリーン モア

シングルモルト
夏草や つわものどもが 夢の跡
だね

スペック

名前フィンラガン アイリーンモア
タイプシングルモルト
地域アイラ
製造元非公開
ボトラーザ・ヴィンテージ・モルト・ウィスキー・カンパニー
アルコール度数46度
容量700ml
購入時価格4,270円(税込)

氷を入れるとかなりスモーキーだけど、ストレートは案外穏やか、かも

フィンラガンの名前は、フィンラガン城の遺跡とフィンラガン湖にちなんで名付けられました。
13世紀に建設された城は、アイルズ卿とマクドナルド一族の本拠地としての役割を果たしましたが、15世紀か16世紀には取り壊されました。
湖には3つの島があり、その1つにこのウイスキーの由来となったアイリーンモアと呼ばれる小さな島があります。
アイリーンモアは当時の領主の妻と子供の埋葬の地でもあったという記述もあります。
現在では、慈善団体「フィンラガン・トラスト」がこの地を管理し、ヴィンテージ・モルト・ウィスキー・カンパニーが支援しています。

フィンラガンからリリースされるブランドはいずれもアイラ島の非公開蒸留所で、一部の人にしか知られていません。
「アイリーンモア」も蒸留所は非公開で2015年にリリースされました。
オールドリザーブよりもやや高い度数でボトリングされ、スモークとフルーツのバランスを巧みに表現しています。

「アイリーン モア灯台事件」

アイリーンモアを検索すると「アイリーン モア灯台事件」がヒットしますが、こちらは別のお話。
アイラ島から北に位置するフラナン諸島のアイリーンモア島で起こった未解決事件です。
アイリーンモア島には時々、台風級の暴風が吹き荒れ、住民の生活や船舶の航路を邪魔していました。
島の灯台には常駐3人の灯台守が居ましたが、ほぼ外部の人間との関わりが無く、休暇の交代要員や物資の補給の時くらいで退屈と孤立感があったようです。
ところが1900年12月15日、貨物船アーチャー号がヘブリディーズ諸島の沖を航行時に現在位置を確認するため光を送ったり、灯台の光を探しましたが見つかりませんでした。
船長は目的地に着くと港の役員に伝えましたが、この時点では問題視されませんでした。
10日後、物資の補給のために訪れた時、ようやく3人が行方不明になってしまったことが分かりました。
灯台のランプには何の異常もなく、ボートはあったので逃げた訳でもなく、荒らされた形跡もなければ、事件に巻き込まれた形跡もなかったのです。
その後の調査でわかったことは、島の西側に暴風雨の跡があること、常備してあった道具箱が見当たらないこと、そして3枚中2枚のオイルスキンのコートが無くなっていることでした。
2人は暴風雨下の作業で、誤って海に投げ出されたと思われましたが、残り1人までいなくなったのは何故でしょうか。
いまだに彼らは見つかっていません。
この未解決事件は小説『光を灯す男たち』や映画『バニシング』などのモチーフとなっています。

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飲んでみた感想

香り

干し草の奥からピートが香ってくるような感じです。
そして軽くツンとしたアルコール刺激とお香のような匂いがします。
メープルシロップのかかったパンケーキのようなちょっと甘い香りもしているんですけど、それを打ち消すように正露丸ですかね。

ストレート

思いっきりピートは効いているんですけど、それと一緒に甘味と塩味、そして酸味がバランスよく味わえるんですよ。
喉を通ったところで、かなりカ〜っとくる刺激はあるんですけど、口の方って感じている感覚はクリーミーなものがあるんですね。
ピートはかなり効いているんですけど、思いっきりスモーキーっていう感じではないですね。
苦味はあるんですけど本当に弱いというか、うっすらとあるだけで炭っぽさもあまり感じません。
スモーキーというよりもピーティです。

加水

まずちょっとだけ水を足してみます。
これの方がスモーキーさが出てくるかな。
ピーティで甘味がそこそこあって、苦味も少し強まってきました。
スモーキーさを味わいたいのであれば、ストレートよりも少し水を加えたぐらいの方がいいかもしれません。

トワイスアップにしてみます。
「しっかりピートが効いていて、スモーキーでしかも甘口!」を求めている方にはピッタリだと思います。
これぐらい水を加えた方が雑味が消えてスッキリと飲みやすくなりますね。

オンザロック

陰に隠れていた苦みが一気に出てきた感じですね。
苦味走っていてちょっぴり酸味、そして思いっきりスモーキーといった味わいです。
アルコール刺激もかなり、しっかりあって、なかなかやんちゃなオンザロックです。
喉もカ〜ッと熱くなってくる感じです。
甘味や塩味はほとんど無いかな。
ビタースモーキーといったところでしょうか。

水割り

苦味が先行してはいるんですけど、そのすぐ後から甘味、酸味、塩味などが追いかけてきて味を整えてくれるような感じですね。
そしてかなりスモーキーです。
ここではピーティというよりもスモーキーと言っておきましょう。
後味にも苦味が残るので、苦味から始まり苦味で終わる。
その間にいろんな味わいがあるというそんな水割りでした。

ハイボール

かなりピートの効いたスモーキーなハイボールですよ。
そしてウッディな味わいになっています。
甘味、苦味、酸味なども程よくあるんですけど、何しろスモーキーさが強く出てますね。
ベビーリピーテッドハイボールだと思います。

ウイスキーミスト

スモーキー&ジューシーといった味わいになりました。
ちょっと理解し難いとは思うんですけど、全く違う味が共存しているというか、一緒に味わえちゃうんですよ。
燻味と酸味そして、やや甘味っていうバランスですかね。
ハイボールにせよ、ミストスタイルにせよ、炭酸で割ってもこれだけスモーキーっていうのは大したもんだと思います。

総評

ピートの効いたスモーキーな味わいでした。
それもオンザロックや水割り、ハイボールなど氷を入れて冷やすと相当やんちゃなスモーキーさが出てくるんですよ。
ストレートからトワイスアップまではむしろスモーキーさはあまり出てこず、甘味や塩味などがバランス良くて、結構柔らかいというか、優しくて飲みやすいなーって思うんですね。
どう味わいたいかで冷やすか常温で飲むかっていうところなんじゃないでしょうか。
僕は個人的にこのウイスキーは冷やさないで飲んだ方が美味しいんじゃないかと思いました。

甘味

6.0

酸味

5.0

苦味

5.0

辛味

3.0

燻味

8.0

塩味

6.0

刺激

7.0

コク

6.0

お気に入り度

8.0
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