フォート ウィリアム

ブレンデッド
ベン・ネヴィス蒸留所があるベン・ネヴィス山はイギリスで一番高い山なんだって!(標高1,343m)
ちなみに富士山は3776.12 m。

スペック

名前フォートウイリアム
タイプブレンデッド
製造元ベン・ネヴィス蒸留所
キーモルトベン・ネヴィス
アルコール度数40度
容量700ml
購入時価格1,188円(税込)

水割りやハイボールで美味しく飲める

フォートウィリアムは1825年、ハイランド地方のフォート・ウィリアム地区にジョン・マクドナルドが設立したベン・ネヴィス蒸留所で作られています。
ジョン・マクドナルドは高身長の男性で、彼の愛称「ロングジョン」もベン・ネヴィス蒸留所で生まれたウイスキーの一つです。
その後、息子のピーターが経営を引き継ぐと、ブレンデッドスコッチが流行していた19世紀末においてシングルモルトブランド「Long John’s Dew of Ben Nevis」は大成功しました。

ピーターは2つの蒸留所を建設しました。
ネヴィス蒸留所は一時、200人以上の従業員が働いていましたが、1908年に閉鎖されています。
カナダの起業家ジョセフ・ホッブスに売却された後の現在は、解体されて跡形もなくなり住宅地が広がっているそうです。

もう一つの蒸留所、グレンローキー蒸留所は1897年に設立されましたが、不況の影響をモロに受け、1934年に格安で売却。
1937年にはナショナル・ディスティラーズ・オブ・アメリカ社とジョセフ・ホッブスが所有するトレイン&マッキンタイヤー社に譲渡。
その後、所有権はディスティラーズ・カンパニー社(DCL)へと移りました。
1980年代前半、DCLの方針に合わず閉鎖の候補に上がるようになり、蒸留作業停止後、一部は更地にされ、麦芽倉庫は格安宿泊施設となりました。

ベン・ネヴィス蒸留所は1944年にネヴィス蒸留所と共にジョセフ・ホッブスの所有になり、カフェスチルを導入し、グレーンとモルトを同時に生産した初の蒸留所になりました。
ジョセフ・ホッブスが亡くなった後、1981年にロング ジョン インターナショナル社に買収され、倉庫と試作品製造にのみ使用されるようになりました。
1984年に再び生産を開始しましたが、ウイスキー業界全体が生産量を落とした1986年に閉鎖され、ウイスキーを静かに熟成させる倉庫に逆戻りしました。

1989年ニッカウヰスキーはベン・ネヴィス蒸留所を買収。
竹鶴政孝の養子、竹鶴威がスコッチ業界の情報を得るためだったそうです。
(ニッカウヰスキー株式会社は現在アサヒグループホールディングスの機能子会社)
日本企業がスコッチ工場を買収することに地元からの反感を買うと懸念していましたが、地元の人たちは蒸留所の再稼働を喜び、地元紙も好意的に報じたといいます。
ニッカウヰスキーはジョセフ・ホッブスが設置したコンクリート製のウォッシュバックを撤去し、ステンレス製のウォッシュバックを導入、ビジターセンターを建設・公開するなど大規模な改修をしました。
ここで造られた新酒の約3分の1は日本に輸出され、人気の高いブラックニッカの構成原酒となっています。

フォートウィリアムはベン・ネヴィス山(標高1,343m)の清らかな雪解け水とベン・ネヴィスの伝統的製法に、ニッカウヰスキーのブレンダーの技術が合わさり、日本人の繊細な味覚にあわせた味わいになっています。

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飲んでみた感想

香り

ケミカル系な匂いがしますね。
セメダインとかプラバルーンのような感じ。
全体的に甘味を思わせるような香りではありますね。
そしてウッディな感じ、それも桐箪笥のような匂いがほのかに漂っています。

ストレート

まず甘味を感じたと思った次の瞬間、「かなり辛口!」という味わいでした。
辛口だけど甘味もほんのりあって、ちょっぴり苦くスモーキーさもほんのり感じられます。
余韻に結構アルコール刺激がありますね。
喉がカーッと熱くなるようなそんな感じもあります。

加水

水をちょっとだけ足して飲んでみます。
超辛口ですね。
これが直球で来る感じで辛口が好きな方にはおすすめできる味わいですよ。

もう少し水を加えてトワイスアップにしてみます。
やはり辛口で苦みもあるにはあるんですけど、全体としてはちょっとぼやけた味わいになってしまいました。
ウイスキーが苦手な人がいうところの「ウイスキーはまずい」という感覚に当てはまってしまうような味わいかなと思います。

オンザロック

苦味走った辛口な味わいでウッディさが感じられます。
枯れ草や蚊取り線香のような風味もありますね。
正直言ってあまりじっくり味わいたくない。

水割り

いきなり味がまろやかになった気がします。
ちょっぴり辛口ですけど甘味も感じられて飲みやすいですね。
水割りで飲むことを前提に作られたウイスキーなのかなと思ってしまいます。
もしかするとこの後のハイボールでも美味しいんじゃないかと期待ができますね。

ハイボール

辛口ではありますがジューシーかつフルーティになりました。
ラベル裏面には『ニッカウヰスキー社のブレンダーにより日本人の繊細な味覚にかなう甘く柔らかでスムースな味わいに仕上げました』と書いてあるんですけど、やはり日本で人気のハイボールで美味しくなるように合わせ込んできたのかなという想像は容易にできます。
このハイボールは本当に美味しいですね。
「甘く柔らか」と書いてあるけど、僕は辛口だと思います。
でも、おっしゃるように甘味もそこそこ感じられてフルーティーです。

ウイスキーミスト

甘口でフルーティー。
この飲み方が一番美味しいと思いますね。
辛味や苦味もしっかりあるんですけど、どちらかというと甘口な印象です。
この味わいなら「おかわりください!」って言っちゃいます。
ミストスタイルでこのウイスキーの真価が発揮されたなと思いました。

総評

よく海外で人気があるのに日本では人気がないというウイスキーはストレートやオンザロックが美味しかったりするんですけど、これはその全く逆の方向性を持っているウイスキーだなと思いました。
日本人のブレンダーさんが編み出したブレンドがハイボールや水割りで真価を発揮しているということなんでしょう。

ストレートやオンザロックよりも水割りで、さらにはハイボールもしくはクラッシュアイスで作るミストスタイルだともっと美味しくいただけるんじゃないでしょうか。

甘味

5.0

酸味

3.0

苦味

4.0

辛味

6.0

燻味

4.0

塩味

3.0

刺激

6.0

コク

3.0

お気に入り度

6.0
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