タムナヴーリン ダブルカスク

シングルモルト
タムナヴーリン蒸留所ができた当時はウイスキーブームで需要が供給を上回っていたそうです

スペック

名前タムナブーリン ダブルカスク
タイプシングルモルト
地域スペイサイド
製造元タムナヴーリン蒸留所
アルコール度数40度
容量700ml
購入時価格3,300円(税込)

味も価格も優等生なシングルモルト

タムナヴーリン蒸留所は、インヴァーゴードン・ディスティラーズ社によって1966年に開設された、比較的若い蒸留所です。
スペイサイドの奥深く、リヴェット川のほとりにあるケアンゴーム山脈のふもと、田舎町トムナヴーリンに蒸留所があります。
周囲の山々の雪解け水が石灰岩を通して自然にろ過され、イーストン・ヒルズの地下に貯まった水を使用しています。

1993年に全事業をホワイト&マッカイ社が買収し、2年後にタムナヴーリンは余剰であると判断して、1995年から生産を停止させてしまいました。
それはホワイト&マッカイ社がユナイテッド・スピリッツ社に買収された2007年まで続きます。
タムナヴーリン蒸留所は主にブレンデッドウイスキー用のモルト原酒を生産しており、独立系ボトラーからリリースされる時のみシングルモルトを発売しています。

そして2016年、「タムナヴーリン ダブルカスク」が実に20年以上ぶりに「タムナヴーリン」としてオフィシャル・リリースされました。
このボトルは蒸留所の50周年記念として発売されたウイスキーで、2017年には英国以外の市場でも販売を開始。
その名の通り、アメリカンオーク樽とシェリー樽の2種類の樽で熟成したダブルカスク熟成により、リッチでスムース、まろやかなスペイサイドの味わいが楽しめます。

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飲んでみた感想

香り

まず樽の香りでしょうか。
ウッディな感じがあって、そしてカラメルソースのような香ばしい甘みですかね。
そんな香りがします。
黒糖のような甘い感じや、巨峰みたいな香りもします。
あと、百合の花のような香りですか。
アルコール刺激は比較的弱いです。
本当に微かなんですけど、ピートはちょっぴりあるのかな。

ストレート

最初にまずチョッピリ辛味、その後すぐに甘みがじわっとやってきます。
そして、後味に苦味が残りますかね。
香りの時にあまり感じなかったアルコール刺激が、喉を通る時に結構感じられます。
ただ嫌な感じじゃないです。
何だか心地のよい味わいですね。
飲みやすいと思います。
全体像としては甘口な感じ。
甘すぎない甘口なウイスキーといったところでしょうか。

加水

水をちょっとだけ加えてみます。
ストレートで飲んだ時よりも、甘味が引っ込んでちょっと締まった味になりましたね。
辛味も少し引っ込み、さらに苦味も弱まって、これまであまり感じなかった塩味がほんのり出てきました。
「後味の苦味」はちょっと強くなり、スモーキーさが若干感じられる味わい。
ほんのりフルーティーさもあります。
飲みやすいです。

今度はトワイスアップで飲んでみます。
ちょっと辛口になりました。
甘味も程よくあるんですけど、やはりストレートの時よりも甘さ控えめでやや辛口。
そして、ちょっぴりジューシー。
苦味は水ちょい足しの時より弱くなって、スモーキーさもあまり感じないかな。

オンザロック

これは甘いです。
まずは甘くてコクのある味わいですかね。
苦味はそんなにありません。
僕はよくスイートビターとかビタースイートっていう言い方をするので、今回も言うつもりでいたんですけど、案外苦味はなくて、甘味プラス塩味と若干の辛味で、苦みは後味にあります。
氷を入れて冷やしたことで、コクのある深みのある甘味が出てきたのかな。
香りはちょっと弱くなりました。
冷やすことで香りが上がってこないってのもあるんでしょうけど、最初に香りを嗅いだ時ウッディさが無くなりました。

水割り

いつもなら鼻を近づけた時にオンザロックの方がウッディーさを感じているんですが、今回はオンザロックよりも水割りの方がウッディーですね。
ちょっと言い方悪いんですけれど、古新聞のような香りもします。
でも飲んでみると甘口で、水のおいしさが引き立ってくるような味わいですね。
後味のあたりでちょっと苦味や、うっすらとスモーキーさがあるんですけど、最初口に含んだ辺りでは割と甘口です。
普段からお酒を飲んでいる方だと、ソフトドリンクのようにグイグイいけちゃう系なので、飲み過ぎ注意っていうところでしょう。
かなり飲みやすいと思いますよ。

ハイボール

通常、ハイボールではウッディさが引っ込んじゃうものが多いのに水割りと同様、出てきてますね。
そして甘辛い感じです。
酸味は適度にあって、後味がちょっぴりスモーキー、割とフルーティーな味わいです。
ソフトドリンクで例えた時に、よく言われがちなジンジャーエール系の味わいですかね。
スコッチウイスキーで作った美味しいハイボールの標準的な味わいかな。
そこに若干ウッディさがあるという感じです。

ウイスキーミスト

クラッシュアイスみたいな細かい氷でハイボールを作ると溶けていくのが早いし、水っぽくなるんだよねっていうおっしゃる方が多いですけれど、必ずしもそうではないと思います。
ロックアイスのハイボールよりも甘味が出てきました。
甘口でジューシーな飲み応えで飲みやすいですよ。
とても辛味があって、苦味もあることはあります。
でも甘味と酸味プラスちょっとハーブっぽいような何かキリッとした味わいですかね。
後味はややスモーキー。
甘味、酸味、塩味、そしてちょっぴり苦味と辛味っていうところでしょうか。
アルコール刺激は殆どありませんし、とても飲みやすいです。

総評

手に入りやすい価格帯のシングルモルトスコッチウイスキーです。
味わいは甘味が強めで、そこに塩味だったり、辛味、苦味、酸味、そしてスモーキーさですね。
その辺りはとてもバランスよく、美味しかったです。
こじんまりとまとまってる感じの味わいでした。
優等生で、模範的な味わいだと思います。
それがいいと取らえるか、悪いと取らえるかは飲んだ人次第。
手に入りやすい価格帯で、誰が飲んでも美味しいと思えるシングルモルトと考えたら、これは真っ先に候補として挙がってくるウイスキーだと思います。

甘味

6.0

酸味

4.0

苦味

4.0

辛味

4.0

燻味

4.0

塩味

5.0

刺激

3.0

コク

5.0

お気に入り度

8.0
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