スペック
名前 | バット69 |
タイプ | シングルモルト |
キーモルト | ロイヤル・ロッホナガー |
ボトラー | ウィリアム・サンダーソン&サン社 |
アルコール度数 | 40度 |
容量 | 700ml |
購入時価格 | 1,480円(税込) |
一度は飲んでみても良いかも
1839年1月27日にブレンダーのウィリアム・サンダーソンはリースに生まれ、13歳になると彼はワイン・スピリッツ商、マシュー・ブチャンのもとで修行を始めました。
1863年にはリキュールとウィスキーブレンドのサンダーソン社を立ち上げます。
初めてのウイスキーは、グレンリベット、ピトロッホリー、グレーンウィスキーをブレンドしたものだったそうです。
サンダーソン社は創業当初、顧客からのオーダーメイドでブレンデッドウイスキーを作っていましたが、1880年に息子のウィリアム・マークが事業に加わってからは、父を説得して様々なブレンデッドウィスキーのボトリングを行うようになりました。
1882年、ウィリアム・サンダーソンは小さな樽で約100種類のブレンドを作り、ウイスキー専門家の協力を仰いで、お気に入りのブレンドを選定してもらったそうです。
その結果、多くの専門家たちが選んだ最高の樽は、69番目の樽だったという逸話があります。
この樽が、ウィリアム サンダーソン&サン社のブレンデッド ウイスキーのベースとなりました。
VAT69の特徴的なロゴは、この時の樽に書かれた文字を写したものだそうです。
1884年、サンダーソンは大麦畑の真ん中にあるグレンガリオック蒸留所を買収。
グレーンウイスキーを確実に届けることを目的として、1885 年には同じウイスキー生産者のアッシャーとベルとともに、グレーンウイスキーを製造する会社を設立し、現在もノースブリティッシュ蒸溜所は存続しています。
ノースブリティッシュ蒸溜所の設立を支援したことにより、ほぼDCLによる独占状態だったグレーンウイスキーのシェアを打破しました。
また、サンダーソンは、
のブレンドに使用するモルトウイスキーを、ロイヤルロッホナガー蒸留所を所有する友人ジョン・ベッグから数種類調達していました。
ベッグが亡くなると、サンダーソンはロイヤルロッホナガー蒸留所の所長に就任したそうです。
サンダーソンが亡くなった1908年にはブレンドも世間に浸透していました。
ヨーロッパが戦争に突入した1914年、VAT69はアーネスト・シャクルトンの南極横断探検に「薬用および祝賀目的」で携行されていきました。
禁酒法が1933年に終了し、ロンドンのブース・ディスティラーズ社と合併、アメリカで最も人気のあるウイスキーとなりましたが、その後両社はDCLの傘下に入りました。
皮肉なことにこの買収によりDCL(現ディアジオ)は、DCLのグレーンウイスキー業界における支配力を打破する目的で設立されたノースブリティッシュ蒸留所の株式50%を取得することになったそうです。
VAT69は『アワ マン・イン・ハヴァナ』などの映画に登場し、1970 年代にはボリウッド(インド映画の制作中心地であるムンバイの俗称)の悪役がよく飲むウイスキーとして用いられていました。
アメリカではおそらく TV シリーズ『バンド オブ ブラザーズ』のルイス・ニクソン大尉の愛飲酒として知られているそうです。
販売量は年間100万ケースを超え、インド、南アフリカ、ウルグアイ、アルゼンチンで最も人気のあるウイスキーです。
インドでは現地でボトリングされています。
飲んでみた感想
香り
ウッディでちょっぴりスモーキーな香り。
バラの花のような甘くていい匂いがしますね。
そして、シナモンのような香りも、じんわりと漂っています。
ストレート
まず甘味、そして塩味やアルコール刺激がじわーっときてから、ちょっぴりスモーキーという感じですかね。
辛味や苦味はあまり感じません。
後味はちょっと甘い感じですかね。
最後に喉に少し刺激が残ります。
加水
少しだけ水を足してみます。
塩味~ちょっぴり苦味で、その後は甘味が来る感じです。
ストレートの時は喉に刺激が残ったんですけど、ちょっと水を加えただけで、その刺激はかなり弱まってますね。
まろやかで飲みやすくなりました。
トワイスアップにしてみます。
甘味そして苦味、次に塩味と燻味。
ストレートや水ちょい足しに比べるとやや淡白な感じにはなりましたけど、それほど薄まった感じではないですね。
ストレートから少しずつ水を加えていくと、これだけ違った味わいになります。
オンザロック
甘味そして苦味ですね。
余韻はちょっぴりスモーキーで、塩味もあります。
コクのある味わいです。
ただ残念なことに、後味が今一つスッキリしないというか、何か引っかかるものが残ります。
水割り
とても口当たりが良くて飲みやすい水割りです。
アルコールだということは分かるんだけど、ほぼソフトドリンクのような抵抗のない味わいですね。
ミントティーをものすごく薄めた感じのテイスト・・・と言うとなんか物足りないものを想像されちゃうかもしれないけど、しっかりとした香り立ちがあってスッキリと飲める美味しさです。
特に甘味や辛味が際立っている訳じゃなく、ピュアなテイストというんですかね。
そんな飲み心地です。
ハイボール
まずフルーティです。
酸味、塩味、甘味という順番で味わえるかな。
後味はちょっぴりスモーキー。
無難なハイボールという言い方をしておきましょう。
美味しいというほどではないけど、まずくはない。
水割りの感じと同じでピュアなテイストですね。
ウイスキーミスト
これもとてもピュアなんですけど、ハイボールよりフルーティーさが増した感じがします。
そして苦味がちょっぴり強くなったんだけど、その辺が返って味わい深くてハイボールよりも美味しさを感じられるのかもしれません。
軽やかでとってもピュアということに変わりはありませんね。
総評
ストレートやオンザロック、あるいは水ちょい足しぐらいだとかなり深みのある味わいなのに、トワイスアップや水割りハイボールなどにすると、ものすごくピュアというか水に近い感じになります。
それは決してまずいというわけではないんですけど、ちょっと物足りなさがあるのは否めません。
あまり癖がなくて飲みやすいウイスキーだと思います。
じっくり味わいたい方は是非オンザロックで。
すっきりと飲みたい方は水割りやハイボールがいいんじゃないでしょうか。
甘味
酸味
苦味
辛味
燻味
塩味
刺激
コク
お気に入り度