・・・南極圏を泳ぐイルカもいるんだよ。
寒いのにねェ。冷たくないのかな?僕なら凍っちゃうね。
スペック
名前 | シャクルトン |
タイプ | ブレンデッドモルト |
製造元 | ホワイト&マッカイ社 |
アルコール度数 | 40度 |
容量 | 700ml |
購入時価格 | 3,300円(税込) |
フルーティーな酸味はピート由来?
アーネスト・シャクルトン氏をご存じでしょうか。
英国の南極探検隊を 3 回率いた探検家です。
最初の探検は1907年、自船ニムロッド号で出帆しました。
酒好きな彼は、チームの士気を高めるためウィスキーやブランデー、ポートワインなどを持ち込みました。
その中に氷点下の気温に耐えられるよう、オーダーメイドで製造されたアルコール度数47.3%の「マッキンレー レアオールド ハイランドモルト ウイスキー」を、25ケースも持ち込んだそうです。
南極点まで175kmに迫る当時の最南端記録を樹立。
しかし、1909年1月9日、厳しい風と疲れ果てた乗組員の命を危険から守るため、彼は引き返す決断をします。
遠征から1世紀後の2007年、この時のウイスキーがケープロイズにあるシャクルトンのベースキャンプの下で発見されました。
11本のボトルが氷の中に無傷で凍ったまま保存されていたのです。
発掘されたボトルは、ニュージーランドに空輸され、ニュージーランド南極遺産トラスト(HTA-NZ)によって慎重に解凍され、ウイスキーは現在、カンタベリー博物館のパブリックギャラリーに展示されています。
1914年に再び南極大陸横断を目指し、「エンデュランス号」を建造、27人の乗組員が乗船しました。
ですが1年後の1915年11月21日に南極大陸のウェッデル海で氷に閉ざされ沈没してしまいます。
命辛辛、乗組員全員は沈没から生還。
船内のボートでエレファント島まで移動し、結果1916年に救助されたシャクルトン氏は乗組員全員を無事に帰還させることができました。
この偉業は、その冒険心と高い仲間意識とリーダーシップから史上最高のサバイバル・ストーリーとして知られています。
ホワイト&マッカイ社はこの極地探検家アーネスト・シャクルトン氏のストーリーに感化され、回収されたボトルを、世界的に有名なマスターブレンダー、リチャード・パターソン氏に分析と再現を依頼します。
科学的に分析した結果、オリジナルのマッキンレーはインバネスのグレンモール蒸留所で蒸留された5〜10年物のシングルモルトで、ほのかに感じるスモーキーさは大麦を乾燥させるために使用したオークニー島のピート。
アメリカンオークのシェリー樽で熟成し、アルコール度数47.3%でボトリングされたことが判明しました。
厳選されたハイランドシングルモルトを、元バーボンのアメリカンホワイトオーク樽とスペイン産シェリー樽の組み合わせでマリッジして構成、アルコール度数40%でボトリング。
ほのかにピート香が漂い、滑らかなバニラ、艶やかなフルーツ、焚き火の煙のささやきなど、豊かで複雑な味わいを見事に再現しました。
グレンモールとダルモアのモルトを使用した限定版を、2011年に「ディスカバリー」、2013年に「ジャーニー」としてリリース。
そして2017年、氷のDNAを受け継ぐブレンデッドモルト「シャクルトン」がリーズナブルな価格で発売されました。
I BELIEVE it is IN OUR
NATURE to EXPLORE
to REACH OUT into
the UNKNOWN
探検しようとすること、
未知なるものを知ろうとすることは、
人間の本性にあると信じています。
飲んでみた感想
香り
バニラのような甘い香りだと思って鼻を近づけていったら、いきなりアルコール刺激がガツンときましたね。
お花畑のような華やかな匂いの奥に、ピートがしっかり香っています。
そしてなんとなく苦いような香りもします。
ストレート
まずフルーティーな酸味を感じました。
その後でアルコール刺激ですね。
そして程よい甘味と苦味があります。
後味にちょっぴりピートの感じが残るんですが、それより最初にまず感じた酸味がピート由来のものなのかもしれないなとも思います。
ウイスキーを飲み慣れてる方にはかなり美味しく感じられるのではないでしょうか。
加水
まず水を少しだけ加えてみます。
しっかり甘味が感じられてそして苦味ですね。
アルコール刺激は少し弱まりましたが、そこそこあります。
後味はちょっぴりスモーキー。
もう少し水を加えてトワイスアップにしてみます。
これだとまず苦味、そして甘味ピートですかね。
ストレートから水ちょい足し、トワイスアップという段階を追うごとに一口目に感じる味の質が変わってきたと思います。
苦味が気にならなければかなり飲みやすいと思いますね。
オンザロック
せっかくなので、このシャクルトンに付いてきたロックグラスでいただいてみます。
このグラスもボトルと同じ薄い青なんですね。
なかなかおしゃれです。
オンザロックでいただいてみるとなかなか美味しいですね!
スモーキーでフルーティーでジューシーです。
甘味もしっかりあるんですけど、ちょっと控えめな甘さですかね。
後味には結構強く苦味があります。
この苦味が気にならなければ、かなり美味しくいただけると思いますよ。
水割り
トワイスアップと似た感じで、苦味から甘味、そしてピーティなんですが、この水割りだと甘味がかなり強いと思います。
後味には苦味と一緒に清涼感があるんですよね。
なかなか美味しいんですけど、オンザロックをいただいた後だとちょっと物足りなさを感じます。
ハイボール
甘さ控えめながらフルーティです。
フルーティな酸味と苦味、そしてスモーキーといったところでしょうか。
好みの分かれるところだと思いますが、僕は美味しいと思います。
とても美味しい甘さ控えめなフルーティーハイボールと言えますね。
ウイスキーミスト
柑橘系のフルーティーさがあってとても美味しくいただけます。
ハイボールと同じで、甘さは少し控えめなんですが、とてもジューシーですね。
後味に苦味があるので、ここも好みの分かれるところですが、ハイボール同様、僕は好きです。
美味しいと思います。
総評
このウイスキーはボトルの評価もしたいですね。
淡いブルーでとてもお洒落なボトルなんです。
おまけで付いていたグラスも、同じような淡いブルーだったんですが、そんなところがまず高評価。
肝心な味ですが、癖の強さはあるものの僕は美味しいと感じました。
ストレートから一貫して「酸味がかなり強い」というのが特徴ですね。
今までストレートで「酸味がかなり強い」と感じたウイスキーがあまりなかったので、その辺が意外でした。
全体を通して言えることは、フルーティでスモーキー、かつ苦味が強いといったところでしょうか。
かなりクセが強いので評価は分かれると思いますが、僕は美味しい方に評価したいので今回かなり高い点数をつけます。
・・・が、実際に飲んでみて判断してください。
甘味
酸味
苦味
辛味
燻味
塩味
刺激
コク
お気に入り度