スペック
名前 | フィンラガン レッドワインカスク マチュアード |
タイプ | シングルモルト |
地域 | アイラ |
製造元 | 非公開 |
ボトラー | ザ・ヴィンテージ・モルト・ウィスキー・カンパニー |
アルコール度数 | 46度 |
容量 | 700ml |
購入時価格 | 4,950円(税込) |
ピート+赤ワイン=???
スコットランドで最も有名な蒸留所で輸出責任者として長年ウイスキー業界に携わってたブライアン・クルックは1992年、アイラ島のシングルモルトを世界中の小売店に提供するというビジョンを持って、ザ・ヴィンテージ・モルト・ウィスキー・カンパニーを設立しました。
名前はフィンラガン湖と、かつてあったフィンラガン城に由来していますが、フィンラガン蒸留所はありません。
現在、慈善団体「フィンラガン・トラスト」がこの地を管理しており、ザ・ヴィンテージ・モルト・ウィスキー・カンパニーはそのサポーターでもあります。
「フィンラガン」はごく限られた人にしか知らされていないアイラ島の蒸溜所から調達しています。
ウイスキーフォーラムでは、多くの議論が交わされており、ラガヴーリン、ラフロイグ、カリラ、ブナハーブン、レダイグ、アードベッグだという意見を見かけます。
確かなことは誰もわかっていませんが、きっとこの中に正解があるのでしょう。
オールドリザーブ(アルコール度数40%)、アイリーンモア(アルコール度数46%)、カスクストレングス(アルコール度数58%)の3種類のノーエイジ・ステートメントを中心に展開しています。
フィンラガン レッドワインカスクマチュアードもアイラ島で蒸留され、スペインのリオハのワイン生産地から調達した赤ワインホグスヘッド樽で仕上げたアイラシングルモルトです。
ピートの効いたアイラウイスキーに、フルーティーな味わいを加えています。
冷却濾過されていない46%のアルコール度数でボトリングされたファーストバッチは、限定7,000本のリリースでした。
「インターナショナル ワイン&スピリッツ コンペティション 2019」では92点をマーク。
「イラクサ、リンゴ、洋ナシ、そしてエレガントなピート香が感じられる、フレッシュで生き生きとしたウイスキー」と評されて、IWSCシルバーを獲得しました。
飲んでみた感想
香り
ピーティなスモーキーさはあるんですけど、それ以上に甘い香りがしてきます。
これが何かというのを知らされずに嗅いだら、おそらくシェリー樽で終熟したウイスキーと感じるのではないでしょうか。
アルコール刺激やピート感よりもフローラルな香りです。
この段階で シェリー系のような甘味とピーティなスモーキーさが融合しているものが期待できますね。
ストレート
では期待をこめて。
濃厚な甘み塩味、そしてピートですね。
後味はちょっぴり辛めなアルコール刺激です。
これまで、アルコール刺激から入って後味に甘味というのあったんですけど、今回は全く逆ですね。
まずは甘いです、そしてしょっぱいです、そしてピートが効いています。
フィンラガンカスクストレングスとグレンファークラス105をミックスしたようなウイスキー。
そんなものがあったらいいなぁと思っていましたが、これは近い感じがしますよ。
両方の良い所を持ち合わせているのではないでしょうか。
甘口でピーティって言う物を求めてる方にはいいんではないでしょうか。
加水
ちょっとだけ水を足してみます。
やや単調な味になりましたね。
アルコール刺激がより増したように思います。
それはきっと甘味やピート感が引っ込んじゃったからなのかなと思うんですが、この飲み方だとかなりアルコールの感じが強くきますね。
刺激が強いです。
後味にちょっぴりフルーティーさがあって、その後にスモーキーな感じも残ります。
トワイスアップにしてみます。
水の加減でこんなに足変わるんですかね。
むしろ今度はアルコール刺激が引っ込んで甘みとスモーキーさが増したように思います。
スモーキーさはかなり強めになってきてます。
後は 味は苦味と甘味です。
オンザロック
濃厚な味わいになりました。
麺つゆのような 甘じょっぱさから炭のようなスモーキーさまでが一気に押し寄せてきますね。
「甘いじょっぱい」「スモーキー」以外にちょっぴり柑橘系のフルーティーさやメロンのような甘いフルーティーも一緒に味わえる感じです。
アルコール度数もそこそこあるんですけど、他のいろんな味がてんこ盛りなのでさほど刺激は感じないのですが
このオンザロックをずっと長時間飲みたいとは思いません。
ずっと飲んでるとアルコール感が強くなっていくんじゃないかなと思うので、美味しいんだけどオンザロックは一杯だけにしときます。
水割り
口当たりがとても良いです。
まろやかな心地よいウイスキー感の後に甘味とスモーキーさがやってくる感じです。
刺激がほとんどないのでこの飲み方だとずっと飲んでいられるんじゃないでしょうか。
でもこのウイスキーのクセとか特徴はかなり弱まってしまった感じがするので、この飲み方ではあまりおすすめはできないかな。
ワイン好きの方には水割りだとおいしく飲んでいただけると思います。
ハイボール
赤ワインという味わいがここで一気に出てきたと思います。
もう赤ワインをソーダ割りにしたと言ってもいいくらいのテイストですね。
それも思い切ってビンテージもののワインをソーダで割ってしまったような感じだと思います。
フルーティーでかつ甘さ控えめ、酸味もやや控えめ、後味には程よい苦味があるという飲みごたえ。
スモーキーな感じはあるんですけど、かなり弱めで、後味に少しあるぐらいです。
総評
このウイスキーはストレートでいただくのが一番美味しいと思います。
水を加えたり、冷やしたり、いろんなことをすると、だんだん何だかわかんなくなっていく傾向がなくはないですよ。
今までフィンラガンが好きで飲んでいた人にはちょっと違和感があるかもしれないですね。
かなりしっかりワインの味が出てるんじゃないかと思うんですけど、それがフィンラガンというウイスキーに必要なことだったのか?
ストレートで「ピーティなウイスキーとシェリー系のウイスキーのいいところが合わさった」と言いましたけど、そう言った味わいで言うともう少し価格帯の低いジョニーウォーカー・ダブルブラックやアイラオリジンには勝てないような感じがするんですね。
このフィンラガンレッドワインカスクマチュアードは5000円前後するんですよ。
それに対して同じような特徴を持つウイスキーには3500円前後のものもあり、コスパ面でも負けてしまいますね。
甘味
酸味
苦味
辛味
燻味
塩味
刺激
コク
お気に入り度