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ジンギスカンキャラメルの味でもありませんよ!
甘いけどね
スペック
名前 | シープ ディップ アイラ ブレンテッドモルト |
タイプ | ブレンデッドモルト |
製造元 | イアン・マクロード・ディスティラーズ |
アルコール度数 | 40度 |
容量 | 700ml |
購入時価格 | 3,278円(税込) |
アイラピーテッドを超えてくる謎の甘味
「シープディップアイラブレンデッドモルト」はアイラ島産のピーテッド・ブレンデッドモルトです。
昔、農家が違法な蒸留を行っていた時代へのオマージュを込めています。
「シープディップ」とは殺虫剤と殺菌剤を入れた溝の中に羊を入れ、ヒツジハエ、ダニ、シラミを駆除することです。
そして徴税官の目の届かないように本来薬剤が入っている「SD」と書かれた樽に原酒を隠し、シープディップ(羊用の殺虫剤、殺菌剤)と呼んでいたことから由来します。
「シープディップ」は1974年、MJ Dowdeswell&Co Ltdのウイスキーとしてイングランドのオールドベリーにあるパブ用として発売されました。
地元の人々の間で人気が高まるにつれて、フォートナム&メイソンなどに供給し、米国、カナダ、ニュージーランドの市場に参入することができました。
その後インバーゴードン・ディスティラーズが買収、1993年にはインバーゴードン・ディスティラーズがホワイト&マッカイ社に買収されたのに伴い、「シープディップ」の権利もホワイト&マッカイ社に移りました。
2005年、ホワイト&マッカイ社の最高執行責任者であるアレックス・ニコルが独立し、スペンサーフィールドスピリッツカンパニーを設立します。
「シープディップ」の権利は同社が持ち、監修はホワイト&マッカイのマスターブレンダーであるリチャード・パターソンが担当し続けました。
2016年スペンサーフィールドスピリッツカンパニーは、蒸留、ブレンド、瓶詰めを行っている独立系ファミリー企業のイアン・マクロード・ディスティラーズに買収され、現在に至ります。
飲んでみた感想
香り
あまり強いピートは感じませんね。
どちらかというとウッディ。
古い材木のような匂いなのかな。
ちょっぴり蜂蜜のような甘い香りがして、その奥から優しくピートが香ってきます。
他のアイラモルトウイスキーはどうだったか手元にあるいくつかのアイラモルトウイスキーで比べてみたんですけど、やっぱりこれはピートが弱いかな。
そしてアルコール刺激や辛い感じはそれほどしません。
優しい香りです。
ストレート
まず、いきなり甘いです。
でもすぐに辛味が追いかけてきて、さらにスモーキーさに覆われてくるという感じですかね。
ここまでのそれぞれの味はどれも結構強烈です。
特に甘味が驚くほど広がってくるんですよ。
今まで飲んだウイスキーの中で一番強い甘味なんじゃないかなと思います。
二口三口飲んでいくと甘味と苦味がいい具合に調和しているようにも感じてきます。
スイートビターですね。
アルコール刺激はそこそこ強いです。
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加水
まず水を少しだけ足して飲んでみます。
これだとスモーキーな味わいから入ってくる感じですが、その後でやはりとても甘味が強いなと思います。
生クリームにメープルシロップをかけたような甘味です。
後味に苦味があるんですけど、口当たりは悪くないですね。
飲みやすいです。
トワイスアップで飲んでみます。
しっかりスモーキーなんですけど、そのスモーキーさの前に甘味が立ちはだかっていると言ったところですね。
どの飲み方でもやはり甘味の印象がものすごく強いです。
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オンザロック
甘くて、そして甘くて、少し苦くて、ちょっぴりスモーキーと言った味わいです。
とても甘味が強くて(しつこい)、コクのあるオンザロックというところでしょうか。
このコクの中に苦味やスモーキーさが含まれると思います。
かなりごくごく飲めちゃうオンザロックです。
美味しいです。
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水割り
「おっと、これは苦いかな?!」と思うか思わないかのうちにやっぱり甘いです。
まず苦味を感じるんですよ。
で、次の瞬間に「あ、やっぱり甘口だった」っていう流れですね。
辛味やスモーキーさなどはあまり感じなくて、甘味と苦味だけです。
口当たりのいい甘口な水割りです。
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ハイボール
甘くて酸味がかなりきいていてフルーティーな味わい。
甘さ強めな梅酒サワーといったテイストですね。
良くも悪くもあまりウイスキーを感じない味わいです。
ウイスキーを割った感じではなく、あくまでもウォッカのような一般的なスピリッツを甘味のある炭酸飲料で割ったっていう感じでしかないですね。
甘味の全くない炭酸で割ったっていうのが信じられないぐらい甘いお酒です。
初めて飲んだウイスキーがこのハイボールだと「ウイスキーってこういう味なのね!」と間違ってインプットされちゃうんじゃないかなと心配してしまいます。
美味しいと思いますが、これがウイスキーだって思って欲しくはないなっていう複雑な心境です。
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ウイスキーミスト
まず、ライトスモーキーと言うか、軽くピートが効いているなって感じます。
ハイボール以上に甘さは控えめですね。
ボウモアか何かに近いのかなって気がします。
ハイボールでスモーキー感が足りなかった方はこのクラッシュアイスで炭酸割りにすると、少し求めてるものに近づけるのではないでしょうか。
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総評
お店に掲示されていたポップには「複数のアイラのシングルモルトをブレンド。程よいスモーク感とモルトの甘味、バランスの良さはブレンドならではのおいしさ。アイラに興味はあるけど、個性が強すぎて・・・という方にも、ぴったりな1本。」と書かれてたんですね。
でもそうは言ってもアイラはアイラだから、かなりスモーキーなんじゃないかなって思ったんですよ、僕は。
でも飲んでみてびっくり!!
とにかく甘口なウイスキーです。
ブレンデッドモルトであることは間違いないはずなんです。
しかもアイラモルトのみですよ。
どうしたらこんなに甘口のウイスキーができるんでしょうか。
飲み始める前はかなりピーティーなスモーキーさを覚悟しつつ期待したんですね。
飲み終えた今、言えるのは、とても甘口なジュースのようなお酒を頂いたっていう印象でしかありません。
ハイボールが少し薄まってきた状態で今もう一口飲んでみたんだけど、もうこれは癖のない焼酎かスピリッツを三ツ矢サイダーで割ったような味としか言いようがないですね。
水割りやハイボールなら「ウイスキーはとても苦手」という方にも相当美味しく飲んでいただけるんじゃないでしょうか。
本当にコアなウイスキーマニアの方にはあまりウイスキーを飲んだ感じがしないと思うので、そういう物足りなさは否めませんね。
僕はとても楽しく飲めました。
この後もまだまだいっぱい飲んでみたい感じなんですよ。
飲みやすくて騙されてグロッキーになっちゃう感じのお酒なので気をつけなければいけないと思います。
ほどほどにしときます。
でも、ウイスキーとしての評価は難しいな。
不自然な甘さを感じちゃうんだよね。
ウイスキーじゃなかったらもうちょっと評価できたかも。
甘味
酸味
苦味
辛味
燻味
塩味
刺激
コク
お気に入り度