1924年と言えば、第1回冬季オリンピックが開催されたんですが、日本は前年の関東大震災で不参加でした。
スペック
名前 | ハンキーバニスター ヘリテージ |
タイプ | ブレンデッド |
製造元 | インバーハウス・ディスティラーズ |
キーモルト | オールドプルトニー、バルブレア、アンクノック、スペイバーン、バルメナック |
アルコール度数 | 46度 |
容量 | 700ml |
購入時価格 | 2,728円(税込) |
ストレートやオンザロックで美味しくいただける、お手頃ブレンデッドスコッチ
上品で愛想の良い社交家のボーモント・ハンキーと几帳面なビジネスマンのヒュー・バニスターは、1757年にハンキーバニスター アンド カンパニー社を設立しました。
貴族とのコネクションからリージェント王子、ウィリアム4世、ノーフォーク公爵、クイーンズベリー公爵といった王族を顧客に持っていました。
ハンキーバニスター アンド カンパニー社は1890年代になると独自のブレンデッド・ウイスキーの販売を開始しましたが、1922年、サッコーネ アンド スピード社に買収されます。
この会社は軍隊や外交官と長い付き合いがあったため、陸軍の食堂や海軍の病室、英国大使館を相手に大成功を収め、「外交官のウイスキー」として知られるようになリます。
戦時中の首相、ウィンストン・チャーチル氏も愛飲していました。
その後ハンキーバニスター アンド カンパニー社は、1986年にインターナショナル・ディスティラーズ・ヴィントナーズ社(IDV)、1988年にインバーハウス ディスティラーズ社に買収されます。
「ハンキーバニスター ヘリテージ」は、1924年から1928年にかけて製造されていたハンキーバニスターのレシピを基に、インバーハウス社のマスター・ディスティラー、スチュアート・ハーヴェイが再現しました。
甘くピーティーな味わいに仕上がっています。
原酒には、インバーハウス社が所有するハイランドとスペイサイドにある5つの蒸留所(プルトニー蒸留所、バルブレア蒸留所、ノックドゥー蒸留所、スペイバーン蒸留所、バルメナック蒸留所)のシングルモルトと、ローランド産のグレーンウイスキーをブレンドしています。
ボトルデザインもクールで、黒いボトルにシンプルながらもスタイリッシュなラベル、ハンキーバニスター アンド カンパニー社の設立年1757が刻まれています。
評価も高く、ISC 2022インターナショナル・スピリッツ・チャレンジで金賞、 IWSC ゴールド アウトスタンディング 2022インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティションで金賞、 SFWSC 2022ワールドスピリッツコンペティションでダブルゴールドなどの受賞歴があります。
飲んでみた感想
香り
ミントのようなスーッとした香りです。
ピリッとしたアルコール刺激をちょっとだけ感じますね。
嗅ぎ終わりにちょっぴりお線香のような匂いがします。
とても鼻通りがいいですよ。
ストレート
まず塩味、そして辛味という感じですね。
かなり塩味を強く感じました。
それに続いて蜂蜜や黒糖のような濃厚な甘味です。
後味余韻はちょっと喉がカ〜ッとくるようなアルコール刺激ですが、その前の味わいがとても良かったのであまり嫌な感じではないですね。
加水
まずは少しだけ水を加えてみます。
ストレートと同じく塩味、その次に辛味そして甘味なんですが、ストレートの時ほどアルコール刺激は強くないです。
ストレートをそのままマイルドにした感じで飲みやすいですね。
もう少し水を加えてトワイスアップにしてみます。
塩味が弱まって辛味、甘味、そして苦味がちょっぴり出てきたかな。
不思議なもんで、少し水を加えた時よりもアルコール刺激は強く感じてしまいます。
他にも何かいろんな味を感じるんだけど、それがちょっと雑味という風に思えなくもないので水はほんの少し加えるだけのほうが美味しいかもしれないです。
オンザロック
ストレートと逆でまず甘味、次に塩味を感じました。
その後は辛味と苦味です。
アルコール刺激は比較的弱めで、とてもコクのある味わいかな。
じっくり飲んでいけるオンザロックです。
後味には黒糖のようなちょっとざらっとした甘味がありますね。
この後水割りやハイボールなどのテイスティングをしなければならないのでちょっと残念なんですが、今度時間のある時にこのオンザロックをとことんじっくり飲んでみたいかな。
水割り
軽やかな甘口で透明感のある味わいです。
ウイスキーを飲んでる感覚ではないですね。
「上質なアルコール」+「上質な砂糖水」といった、なんか上品な感じのテイストです。
これを初めて飲んで「ウイスキーってこんな味?」って思ったら他のウイスキーがほとんど不味く感じるでしょうね。
それぐらい口当たりがよく、むちゃくちゃ飲みやすいです。
これまでのテイスティングでも「飲み過ぎ注意」と何度も何度も言ってたんですけど、今回のこれは言ってみれば「飲み過ぎ注意」のチャンピオンになるんじゃないでしょうか。
これが美味しいと思うかどうかは好みが分かれるとは思いますけどね。
ハイボール
酸味と塩味そして、ちょっぴり苦みといった味わいです。
甘味はうっすらとありますね。
そしてブルーベリーもしくは木苺のようなフルーティーさを感じます。
割とドライなハイボールと言えるんじゃないでしょうか。
ドライ系のチューハイなどがお好きな方にはいいんじゃないですかね。
ウイスキーミスト
先ほどのハイボールとは打って変わって甘みと苦味がかなり強いです。
酸味や塩味などは、どこかにいっちゃったみたいですね。
後味も割と渋いですかね。
ハイボールではドライといったんですが、これはスーパードライです。
と言ってもアサヒのビールではないですよ(笑)
何口か飲んでいると酸味がちょっときいてきたかなと思えるんですけど、その分、甘みがなくなりました。
こういうのが好きな方にはいいのかもしれないけれど、ちょっと微妙な味わいになっちゃってますね。
総評
おすすめの飲み方なんですけど、一番美味しく感じたのが水割りでした。
あとは水をちょい足しとオンザロックですかね。
水ちょい足しやオンザロックだとこの値段が嘘のような高級感のあるコクのある味わいになるんですね。
ハイボールも決して不味い訳ではないんですけど、わざわざこれじゃなくてもいいのかなっていう程度のものではありました。
このウイスキーはストレートやオンザロック向きだと思います。
総合的な点数は水ちょい足しとオンザロックだけならば95点以上つけられるぐらいの味わいです。
でも、それ以外の飲み方も含めてしまうと87~88点といったところですかね。
甘味
酸味
苦味
辛味
燻味
塩味
刺激
コク
お気に入り度