ディンプル 12年

ブレンデッド
怪人二十面相「明智君、なぜDCLに吸収されたのか、この謎が解けるかい?」
イルカ「えっ!・・・僕もわからない(明智君じゃないし)」

スペック

名前ディンプル 12年
タイプブレンデッド
製造元‎ジョン・ヘイグ&カンパニー
キーモルトグレンキンチー、リンクウッド
アルコール度数40度
容量700ml
購入時価格2,913円(税込)

かつてはセレブなウイスキー、今では手軽に買えるウイスキー

創業者のジョン・ヘイグは1824年、キャメロンブリッジ蒸溜所を新設し、ジョン・ヘイグ&カンパニーを設立しました。
この工場はスコットランドで初めてグレーンウイスキーを製造したとされています。
1890年に発売された「ディンプル12年」は、ブレンデッドスコッチ”の草分け的存在で、キーモルトは、グレンキンチーとリンクウッドです。

ジョン・ヘイグ&カンパニーはディスティラーズ カンパニー リミテッド(DCL)の創業パートナーで、ほぼ独立した会社として運営されていましたが、1919 年にはDCLに完全に吸収されてしまいました。
「ブレンドには充分に熟成したモルトのみを使用すべき」というジョン・ヘイグの信条は現在も守られているそうです。

ローランド地方のウイスキー業界を牛耳っていたジョン・ヘイグの息子とその従兄弟たちは、ウイスキーブームの波に乗って、1888 年に輸出業としてヘイグ&ヘイグ社を設立しました。
この企業が米国における禁酒法施行前に設立されたため、ディンプルの人気が確立することになります。

ディンプルには特徴的なボトルデザインで、金のワイヤーが施されています。
ボトルは3面に「ディンプル(くぼみ、えくぼ)」を持つ形状をしていて、ボトルに巻かれたワイヤーは輸出時に荒海を航海する際にコルク栓が飛び出してしまわないように巻かれたのが始まりです。
コルク栓からスクリューキャップ になり、その機能性が不要となった現在でも、「ディンプル12年」の象徴のひとつとして巻かれています。

12年以上熟成されたスコッチの分野では、現在世界第4位の販売量を誇るビッグブランドで、世界20ヶ国のバーやウイスキー愛好家に支持されています。
1987年には、インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツにおいて、デラックス・ウイスキー部門で金賞を受賞しました。
韓国、ドイツ、ギリシャ、アメリカが主要市場となったミレニアム期にも100万ケース以上の売り上げを記録しています。

日本では昭和の文豪・江戸川乱歩がスコッチウイスキーを好んで飲んでいたことで有名です。
中でもディンプルを愛飲していたそうで、グラスを片手に執筆していたという話もあります。
小説には実際のウイスキーのブランド名が書かれていることもあるので、ぜひ読んで探してみてくださいね。

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飲んでみた感想

香り

オレンジと蜂蜜の香りがします。
アルコール刺激はそこそこ強めなので、ちょっとツンとくるんですが、その隙をつくように少し焦げかけたバタートーストのような香ばしい匂いがしますね。
しばらく嗅ぎ続けているとイ草の香りも感じられます。

ストレート

香りで最初に感じたオレンジと蜂蜜というのは、そのまま味として出てきました。
塩味と酸味が絶妙でさらに辛味と甘味もバランスよくあって、後味に苦味があるというところでしょうか。
一口目でアルコール刺激を強く感じたんですが、何口か飲んでるうちに気にならなくなってきます。
余韻には苦味がありますね。

加水

まず少しだけ水を加えてみます。
味の感覚はストレートとあまり変わらないんですけど、苦味の部分がまろやかになって飲みやすくなったんじゃないかなと思います。
ストレートよりちょっぴり水を足した方がグイグイ飲める感じですね。

もう少し水を加えてみましょう。
苦味がかなり弱くなって、甘味と酸味が少し増したんじゃないかな。
まろやかで飲みやすくなりました。

オンザロック

氷を入れただけでかなり味が変わった気がします。
ウッディな感じがかなり前に出てきました。
甘味、酸味、苦味がギュッと濃縮され、とても深みのある味わいになってます。
後味はちょっぴりスモーキーですね。
ネーブルオレンジのような味わいです。

水割り

加水して飲んだ時にある程度予想できてたんですけど、水割り向きのウイスキーだと思います。
口当たりがとても良く、しかもコクがあって、いつまでも飲んでいたくなるような味わいです。

ハイボール

美味しいジンをジンジャーエールで割って、そこにオレンジジュースを少し足したような味わいだと思います。
ウッディな感じもあるので、その辺がウイスキーだなっていうところです。
そこそこフルーティーな味わいで、おそらくウイスキー苦手な方でもスッと飲めるんじゃないでしょうか。
コクのある味わいで高級感のあるハイボールです。

総評

正直言って僕の好みからちょっと外れるんですけど、濃厚でしかも飲みやすいウイスキーだと思いました。
フルーティな味わいでもあり、甘味や苦味などもバランス良いですね。
おすすめの飲み方はオンザロック水割りハイボールです。

昭和50年代の頃を振り返ると、飲まずに飾られていた高級ウイスキー、それがディンプルでした。
当時の価格で1万円もしていたのに(当時の大卒初任給10万円くらい)、今では3千円前後で買えてしまうようになりました。
いい時代になったと言えますが、少し寂しさも感じるのでした。

甘味

6.0

酸味

6.0

苦味

4.0

辛味

4.0

燻味

3.0

塩味

5.0

刺激

5.0

コク

7.0

お気に入り度

7.5
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