カーデュ 12年

シングルモルト
「カーデュ」はゲール語で「黒い岩」という意味なんだよ。

スペック

名前カーデュ12年
タイプシングルモルト
地域スペイサイド
製造元カーデュ蒸留所
アルコール度数40度
容量700ml
購入時価格4,040円(税込)

ジョニ赤やジョニ黒のキーモルトとして有名

スペイサイドで最も古い蒸溜所のひとつであるカーデュ(当時はカードゥ)は、農場を経営していたジョン・カミングと妻のヘレンが1811年、密造酒づくりを始めた所から始まります。
ヘレンは収税官が来ると他の密造酒製造者たちに赤い旗を立てて知らせる役もしていました。
1823年に物品税法が制定されると、カーデュはスペイサイドの蒸留所の中で早期にライセンスを取得した蒸留所の1つと言われています。

その後、蒸留所の経営は息子のルイスへと引き継がれ、ルイスが亡くなった後の1872年には妻のエリザベスが蒸留所の経営を引き継ぎます。
彼女はすぐにカーデュの商標登録をし、毎年生産を増やすと1884年にもっと大きな敷地のニューカーデュを建設、1899年に新しい大型蒸留器を設置しました。
エリザベスはカーデュの基礎を築いたのです。
原始的な設備を改築して不要になった古い蒸留器と水車は、ダフタウンにグレンフィディックという蒸留所を建てようとしていたウィリアム・グラントに売却しました。

蒸留所は1893年に長年の顧客であったジョン・ウォーカー&サンズ社に売却されましたが、引き続き一族が蒸留所の経営をし、かつ、ウォーカー社の役員にも名を連ねることが条件でした。

1981年にはジョニーウォーカーへの供給だけでなく、シングルモルトのブランディングに乗り出した業界大手ディスティラー・カンパニー社(DCL・現在のディアジオ)にも供給を始めています。
(1963〜67年のDCL会長はジョンとヘレンのひ孫、サー・ロナルド・カミングです)
1982年、カーデュ12年 ピュアハイランドモルトが発売されました。

2002年に事件が起こります。
ブレンドとシングルモルトの両方の重要な要素である原酒を作るには、巧妙なバランス感覚が必要なのですが、スペインとフランスでのシングルモルトの予想売上高が蒸留所の生産能力を上回っていると推定され、さらにウォーカーシリーズへの供給もしなければならなくなったのです。

オーナー会社になっていたディアジオ社の解決策としては、カーデュ・シングルモルトの特徴を維持したまま、異なる蒸留所のシングルモルトを混合したものに変えることでした。
「カーデュピュアモルト」を販売、これは消費者を混乱させてしまい、抗議の嵐により売り上げが減少。
蒸留所名を短期間だけカードゥに戻すという茶番までしてしまいました。

この事件を受けて、スコッチ ウイスキーの表示に関する規制が全面的に見直され、「ブレンデッド モルト(=ヴァッテッドモルト)」という新たな用語が生まれたそうです。
その後2005年に「ピュアモルト」の販売を取り止め、シングルモルトの「カーデュ12年」が発売されました。

マンノックヒルとライニーバーン(クリーク)の泉の水を使用し、人目を引くボトルは樹脂を多く含む木・ファットウッドとコルク栓が付いていて魅力的です。
2014年インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティションでシルバー優秀賞を受賞した他、いくつもの賞を受賞しており、これぞカーデュの真髄と言える逸品になっています。
スペインでは最も売れているシングルモルトウイスキーであり、その柔らかく甘い風味は温暖な気候や夏にぴったり。
スペイサイドの特徴である軽やかさを持つカーデュ、これからウイスキーを飲み始める人にもおススメです。

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飲んでみた感想

香り

ポートワインのようでいて、甘い柑橘系のような、フルーティな香りです。
そして花の匂いですね、これはマーガレットのような感じなのかな。
奥の方に黒糖のようなずっしりとした甘い香りがします。
わずかにセメダインのような匂いもしますが、決して嫌な感じではありません。
いずれにしても甘い味を想像させる香りです。

ストレート

やはり甘口ですが、適度な辛味と苦味があります。
フルーティで、とてもコクのある味わいですね。
アルコール刺激は喉にちょっとだけピリッとくるけど、これがまた美味しさですね。
後味にちょっぴりスモーキーさが感じられます。

加水

少し水を加えてみたんですが、まろやかで飲みやすいです。
ストレートの時にあったピリッとくる感じは、ほぼ無いかな。
ただ僕はストレートに比べてちょっと物足りなさを感じます。

もう少し水を加えてトワイスアップで飲んでみます。
さらにまろやかになって美味しいですね。
なぜか、ちょっとだけ水を加えるよりもトワイスアップにしたほうが、なんかしっかりした味わいを感じるんですよ。

オンザロック

Bittersweet です。
苦味が美味しさに感じるってことなのでしょうね。
こういうのをコクがあるって言うんじゃないかなぁ・・・と思いました。
ほんのりと塩味もあって、やや辛く、そして微妙にスモーキーといった味わいです。
後味は喉の辺りに良い刺激と言うか、美味しかったなっていう余韻が残るんですよ。
この刺激はウイスキーを飲み慣れた方なら美味しいと感じられるんじゃないでしょうか。

水割り

やや辛口な水割りになりました。
アルコール刺激も若干強めです。
後味はちょっぴり渋めで、ちょっぴりスモーキーといったところでしょうか。
氷が溶けて少し薄まった状態になってくるとやや単調な味わいで、さらに渋みが強くなりました。

ハイボール

ちょっぴりウッディで、フルーティーで渋めなハイボールだと思います。
甘さ控えめだけどフルーティーなもしくはジューシーなハイボールが飲みたいという方にはお勧めできます。

総評

このカーデュは、まさしく典型的な正統派ウイスキーと言えるんじゃないでしょうか。
まさしくウイスキーの中のウイスキーですね。
トワイスアップ、オンザロックではかなり美味しく頂けましたし、ストレートでもそこそこ美味しさが感じられたんですけど、水割りやハイボールではむしろ、このウイスキーの良いところを打ち消して行ってしまうように思いました。
個人的にはトワイスアップで飲むのが好みです。

甘味

6.0

酸味

3.0

苦味

5.0

辛味

4.0

燻味

3.0

塩味

5.0

刺激

4.0

コク

6.0

お気に入り度

7.0
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