えらいね。
スペック
名前 | グランツ トリプルウッド 8年 |
タイプ | ブレンデッド |
製造元 | ウイリアム・グラント&サンズ社 |
キーモルト | グレンフィディック、バルヴェニー、キニンヴィ、アイルサ・ベイ |
アルコール度数 | 40度 |
容量 | 700ml |
購入時価格 | 1,958円(税込) |
いろんなところで買えるようになったら人気商品になるかも
1839年、ウィリアム・グラントがバンフシャーのダフタウンという村に生まれました。
現在は「モルトウイスキーの都」と言われるほどですが、当時はモートラックという蒸留所が1つあるだけでした。
ウィリアムは7歳から牛の放牧で生計を立て始め、学校を卒業すると靴職人に弟子入り。
1859年にはエリザベス・ダンカンと結婚し、11人の子供をもうけました。
1866年9月モートラック蒸留所の事務員に転職しましたが、マネージャーの仕事も手伝うようになると、オーナーからの信望を得て正式にマネージャーに就任することになります。
その後経験を積み、独立することを決意。
年収100ポンドにも満たない給料で家族を養いながら、夢へ向かって節約生活を送ることになります。
1886年初頭、カルドウ(現カードゥ)蒸留所が売却されると聞くと、彼は数十マイル歩いて買い付けに行き、当時の価格で£120(現在の貨幣価値で£30,274、日本円で500万円強)という破格の値段で手に入れ、1886年9月にモートラックを辞職しました。
家族一丸で蒸留所再建を始め、工事は1887年の夏まで続けられ、その年のクリスマスに最初のスピリッツが製造されました。
ゲール語で「鹿の谷」を意味するこの土地にできた蒸留所はグレンフィディック蒸留所と名づけられました。
創業以来、6世代にわたってウイスキーをつくり続けているグラント社は独自のスチルマン、クーパー、マスターブレンダーがいる唯一のブレンデッド ウイスキーメーカーです。
初期の様々なブレンドの中で最も成功したのは「グランツ スタンド・ファスト」。
これはクラン・グラント(グラント一族)のスローガンである「Stand fast Craigellachie!」から着想を得たもので、得意先が倒産した煽りで経営が不調になった時に再起をかけたブレンドでした。
1980年代、「グランツ スタンド・ファスト」は「グランツ・ファミリー・リザーブ」に取って代わっていました。
現在ブランドは「グランツ トリプルウッド」になりましたが、「グランツ スタンド・ファスト」の名残がラベルの記載に見られます。
オフィシャルサイトではトリプルウッドについて、こう書かれています。
一般的にウイスキーの熟成に使用される樽は2つですが、トリプルウッドでは3種類の異なる木材で熟成しています。
・スパイシーなたくましさを感じさせるヴァージンオーク樽
・かすかなヴァニラの口当たりの良さを与えてくれるアメリカンオーク樽
・濃厚でスムースなまろやかなブラウンシュガーの味わいをもたらすリフィルバーボン樽
「グランツ トリプルウッド 8年」は最低8年間熟成され、なめらかで豊かでより芳醇な味わいを実現しています。
飲んでみた感想
香り
軽いアルコール刺激とともに、メープルシロップのかかったパンケーキと、お香のような匂いが感じられます。
さらにはお花畑のような華やかな甘い香りと材木のようなウッディーな感じがしますね。
ストレート
生キャラメルのような甘味がありますね。
それと同時に少し強めのアルコール刺激と辛味があり、ほんのり塩味を感じます。
後味にはうっすらと苦味、そして甘味もあります。
加水
まず少しだけ水を足して飲んでみます。
ほんのちょっと水を足しただけなのにアルコール刺激はかなり弱まって、さらに甘味が前に出てきました。
とても飲みやすいですね。
もう少し水を加えてトワイスアップにしてみます。
これだと甘味がちょっと引っ込んじゃいました。
でも、まろやかな口当たりです。
Bitter sweetといったところでしょうか。
オンザロック
ウッディでオイリーで濃厚な甘味のあるオンザロックです。
後味にはちょっぴり苦味があって美味しいですよ。
とってもコクのある味わいです。
水割り
甘口といえば甘口なんですが控えめな甘さ、そして苦味走ったコクのある水割りです。
ただこれはストレートからオンザロックまでの流れを味わわないで、いきなり飲んだらそれほど美味しいと思わないかも。
初めて飲む方はいきなり水割りから飲まないほうが良いかもしれませんね。
ハイボール
ジンジャーエールサワーのような味わいになりましたね。
甘味もしっかり、かつ辛口な味わいです。
塩味も苦味も酸味も程よくバランスよく感じられて、すっきりと飲みやすいですよ。
ウイスキーミスト
ハイボールより甘味があって、青りんごサワーのような味わいです。
個人的にはシェリー樽熟成でもなくスモーキー系でもないウイスキーでこの味わいはピカイチじゃないかなと思いました。
総評
とても癖のない味わいでオーソドックスなウイスキーだと思うんですけど、なかなか美味しかったです。
このウィスキーはどういう飲み方から入ったら美味しく感じるかっていうところがポイントなのかな。
ピートの効いたスモーキー系でもなければ、シェリー樽熟成のような味わいでもない。
だけど甘味や程よい辛味、塩味、苦味などがあってバランスの取れた飲みやすいウイスキーだと思いました。
今回は購入価格が税込みでも2000円を切っています。
この値段でこれだけの味わいというのはコスパがいいとしか言いようがないですね。
これが常時、手に入るのであれば人気商品になるのではないでしょうか。
甘味
酸味
苦味
辛味
燻味
塩味
刺激
コク
お気に入り度