スペック
名前 | アードモア レガシー |
タイプ | シングルモルト |
地域 | ハイランド |
製造元 | アードモア蒸留所 |
アルコール度数 | 40度 |
容量 | 700ml |
購入時価格 | 2,800円(税込) |
ティーチャーズのために造られたモルトウイスキー
アードモアは「ティーチャーズ」のキーモルトとして有名です。
その「ティーチャーズ」の生みの親、ウィリアム・ティーチャーは、1834年に食料品店の娘と結婚し、店でウィスキーの販売を始めました。
1856年には「消費許可証」を取得し、グラスゴー最大の酒場チェーン『ドラム・ショップ』を開店。
カウンターのみの立ち飲み酒場で、店舗を増やしていきました。
1860年に異なる蒸溜所のブレンドが許可されると、ウィリアムは研究を重ね「ティーチャーズ・ハイランドクリーム」を開発し、1876年に亡くなります。
後に「ティーチャーズ・ハイランドクリーム」は1884年に商標登録されました。
ウィリアムの息子アダム・ティーチャーは、「ティーチャーズ・ハイランドクリーム」の原酒を確保するためのアードモア蒸留所を1898年に設立します。
アードモア蒸留所は、ノーザン鉄道の最高地点に位置しており、この一帯は大麦の産地です。
水は高さ1,500フィートのノッカンディ丘陵にある泉から湧き出る水を汲み上げています。
使用するピートは蒸留所から直線距離で60kmちょっと離れたセントファーガスで切り出したピートを使用しています。
鉄道に支線を引いたことで、輸送に関してもウイスキー造りに恵まれた土地と言えます。
アードモア蒸留所は穏やかな田園風景から想像できないほどの重厚さとスケールを持っています。
2つのスチルから始まり60年後、4基のスチルに倍増、そして1975年には再び倍増し8基のスチルが設置されました。
1976年、アライド・ディスティラーズの傘下に入ると、精麦をおこなっていたアードモア蒸留所内のサラディン麦芽製造所は閉鎖、樽の製造も1980年代後半に中止して外部から麦芽や樽を購入するようになりました。
2001年頃までは石炭を燃料とした直火方式のポットスチルを使用して蒸留していたものの、その後は、高温蒸気を用いた間接加熱方式のポットスチルでの蒸留に変更されました。
炭火で蒸留器を加熱していた蒸留所では、最後から2番目の蒸留所でした。(最後は2005年グレンドロナックだそうです)
2006年にアライドが解体されると、アードモアはラフロイグと共にビーム社の手に渡り、2014年に「レガシー」を販売開始しました。
ビーム社は2014年春、日本のサントリーホールディングスに買収されています。
現代の一般的なウィスキーとは違って、アードモアのウィスキーはフィルタで濾過をする際に、冷却を行っていない(ノンチルドフィルタによる濾過を行っている)という特徴があります。
かつての製麦フロアを倉庫として使えるように改築されています。
置かれている樽は、ほとんどが元バーボンで、仕上げにクウォーターカスクが使用されています。
ノンエイジであるレガシーは、80%のピートモルトと20%の非ピートモルトのミックスです。
壮大なスコットランドのイヌワシは、今でも蒸留所の上空を暖かな熱波に乗りながら飛んでいます。
ウイスキーのパッケージによると、”蒸留所は1898年以来、珍しいワシの一族に見守られてきた “とあります。
飲んでみた感想
香り
まずシンナーのような臭いがツンときます。
そして何だろうこれ・・・ドライアイスってこんな匂いしてなかったかな?
バラの花の香りの奥の方にピートが 香っていますね。
メープルシロップも少し感じるかな。
ストレート
まずスモーキーです。
そして辛口なんだけど後から甘味が追っかけてくるといった味わいです。
柑橘系のフルーティーさもあるので、なかなか華やかなテイストです。
ピーティー でフルーティーで甘味と辛味がバランス良く感じられるといったところでしょうか。
加水
少しだけ水を加えてみました。
甘みと酸味が強くなったように思います。
そしてこの酸味とスモーキーさがオーバーラップしてる感じなんですね。
アルコールの刺激感と苦味が少しありますが、口当たりはいいですよ。
トワイスアップにしてみましょう
フルーティで甘口な感じになりました。
後味にスモーキーさが感じられます。
とても滑らかな飲み口で、水の美味しさも一緒に味わえるといったところでしょうか。
このトワイスアップはなかなかいけますよ。
オンザロック
ウッディでスモーキーでフルーティといったなかなか華やかな味わいです。
後味はビタースウィート。
甘味やバランスよくあるので飲みやすいと思います。
コクがあって、ちょっぴりビートが効いていて、バランスの良いオンザロックといったところじゃないでしょうか。
水割り
いわゆる美味しい水系の味わいなんですが、ウッディでフルーティ。
甘口ながら、適度な辛味とスモーキーさも持ち合わせています。
ハイボール
ティーチャーズのキーモルトなんだなということがとってもわかりやすい味わいです。
ただし、こちらの方がはるかに美味しいと思いますよ。
フルーティーでスモーキーでウッディで甘味と辛味と苦味がバランスよくある感じですね。
後味に程よい渋みがあってとても奥行きのあるハイボールだと思います。
コクのあるハイボールを飲みたい方におススメですよ。
総評
全ての味わいがバランスよく感じられるウイスキーでした。
塩味もそこそこ程よくあるんですよ。
必要と思われる要素が全てバランスよく味わえました。
さほど強烈ではない適度なピート感なので、アイラ系の強烈にピーティーな・・・例えばアードベッグやラフロイグなどが苦手という方でもギリギリこれならいけるんじゃないでしょうかね。
ティーチャーズのキーモルトであるということは知っていたんですが、ハイボールを飲むまではあまりティーチャーズな感じはしませんでしたね。
逆に言うとハイボールでもろに ティーチャーズを感じたというところでしょうか。
前々から飲んでみたかったのになぜかいつも避けて通ってしまっていたアードモアなんですが、やっといただいてみたらかなり美味しいウイスキーでした。
これは特にティーチャーズのファンの方はぜひ一度飲んでみていただきたいと思います。
でも、ティーチャーズが好きでない方にも飲んで頂きたいですね。
甘味
酸味
苦味
辛味
燻味
塩味
刺激
コク
お気に入り度