ヘイグ ゴールドラベル

ブレンデッド
DCLの役員にはヘイグ家のメンバーが就任しました
中には第一次世界大戦司令官ダグラス・ヘイグ野戦司令官(後の伯爵)もいたんですよ

スペック

名前ヘイグ ゴールドラベル
タイプブレンデッド
製造元ジョン・ヘイグ&カンパニー
アルコール度数40度
容量1000ml
購入時価格3,080円(税込)

その姿に懐かしさを感じる人もいるでしょう

ヘイグ家はスコットランド最古の蒸留所の一族と言われており、13世紀にボーダーズ地方に住んでいた記録があります。
実際にヘイグ家が蒸留に関わったのは1627年、ロバート・ヘイグからになります。

ロバートのひ孫であるジョン・ヘイグは1751年、スタイン家のマーガレット・スタインと結婚しました。
当時のスタイン家はケネットパンズ、キルバギー、キンケープル、ハットンバーンの計4蒸留所を保有するスコッチウイスキーの名門で、両家はその後も世代ごとに何組もの婚姻を繰り返し、ヘイグ家は蒸留とウイスキー製造に精通します。

1773年にジョン・ヘイグが急死すると、5人の息子はスコットランド最大の蒸留所だったキルバギー蒸留所で見習いとして蒸留とウイスキーづくりについて学びました。
5人の兄弟は自分の蒸留所を設立したり、他の蒸留所のパートナーになったり、娘のマーガレットは1788年、アロア出身の地元弁護士ジョン・​​ジェムソンと結婚してダブリンに移り蒸留会社を設立するなど、それぞれウイスキーに関わるようになります。

1802年にジョンの孫であるジョン・ヘイグが誕生します。
1824年、ヘイグ蒸留所(現在のキャメロンブリッジ蒸留所)が設立され、ジョン・ヘイグ&カンパニーを会社登録。
1826年、いとこのロバート・スタインが連続式蒸留器を発明し、キャメロンブリッジ蒸留所に設置しました。
それまで洗浄や充電が必要だった従来のポットスチルに比べて、より早く、より効率的にスピリッツを製造できるこの発明は、スコットランドのグレーンウイスキー産業の発展に貢献したそうです。
1877年、グレーンウイスキーの在庫をウイスキー卸売業に販売することを規制するために他のグレーンウイスキー蒸留所5社とともにディスティラーズ・カンパニー社(DCL)を設立しました。

当時「ヘイグ ゴールドラベル」はディンプルと並ぶジョン・ヘイグ&カンパニーの主要なブランドでした。
1939年になるとヘイグブレンドは英国で最も売れたウイスキーとなり、グレンキンチー、グレンロッシー、マノックモアなどDCLのモルト蒸留所のライセンスも一時期保有していました。
レシピにはグレンキンチーのようなローランドモルトや、キャメロンブリッジの穀物に大きく依存したものが含まれています。
しかし、第一次世界大戦の物資不足の後、スコッチウイスキー業界の統合が進み、1919年にDCLはジョン・ヘイグ&カンパニーを買収しました。
DCLは最終的にディアジオに吸収され、ジョン・ヘイグ&カンパニーは子会社として運営を続けています。

「ヘイグ ゴールドラベル」は20世紀に最も売れたブレンドで、特に英国で人気が高く、1971年にはスピリッツブランドとしては初めて100万ケースを販売しました。
現オーナーのディアジオ社は、「ヘイグ ゴールドラベル」を今も世界中の市場で販売していますが、ジョニーウォーカーなど他のブランドにスポットライトを当てており、2000年になると、ディンプル・ヘイグ両ブランドを合わせて、英国での販売量はわずか750ケースにまで落ち込んでしまいました。

この動きは日本でも同じことが言えて、バブル期にはよく目にする銘柄でした。
英国での降下と同じくして、日本でも名前を聞くことが少なくなっています。

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飲んでみた感想

香り

新築の家の玄関を開けた時の匂いですね。
しばらく嗅いでいるとうっすらとお線香のような香りもします。
アルコール刺激もかなりあるんですけど、割と優しい刺激ですかね。
さらに鼻を近づけていくととてもアンティークな家具の置いてある古い家の匂いがしてきました。
一旦鼻から離して、しばらくしてからもう一度嗅いでみると、赤ぶどうのような香りもしました。

ストレート

甘くてスパイシー。
甘味と辛味のバランスがとてもいいです。
後味の余韻に巨峰のような渋みのあるフルーティーさを感じますね。
なめらかな口当たりで比較的癖がなく飲みやすいです。

加水

まずはちょっとだけ水を足して飲んでみます。
スパイシーでソルティ。
辛味と塩味のバランスがとてもいいです。
後味の方で甘味がありますかね。
アルコール刺激はストレートよりも少し強まったように思えます。

トワイスアップで飲んでみます。
苦味がかなり出てきましたね。
そして味がちょっぴりぼやけてきた感じがします。
ストレートのようなはっきりとした味わいではなく、薄まった物足りなさみたいなのがありますかね。
あまり薄めない方が美味しいのかなという気もしますが、水割りやハイボールなど氷を入れて冷やし、薄めるとどうなるかはまた違うかもしれませんね。

オンザロック

辛くて渋みのある味わいです。
甘味はあんまり感じないですね。
後味に墨っぽい感じがあって、とてもコクのある水割りだとは思います。

水割り

ちょっぴり甘味はあるんですけど、苦味の方が強いかな。
そして後味はスモーキーです。
トワイスアップの時と同じで、やはりちょっとぼやけた味にはなりますね。
だけどこの水割りの方が美味しくいただけるんじゃないでしょうか。
水の美味しさを引き立たせているという感じがあります。

ハイボール

甘さ控えめで渋みがあって、赤ワインのようなフルーティーさがありますね。
二口目ではそこそこ甘味を感じましたし、後味にもほどよい甘味があります。
それ以外にも塩味や酸味、ちょっぴり辛味もあって、なかなか華やかな味わいなハイボールですよ。

ウイスキーミスト

スパイシーで甘味もきいているし、適度な酸味があってフルーティーな美味しい味わいです。
​「​ヘイグ ゴールドラベル」のウイスキーミストは過去飲んできたウイスキーミストの中でもかなり美味しい方だと思います。
夏の暑い日にはピッタリな飲み物じゃないでしょうかね。
もちろん他の季節だってこの美味しさに変わりはないと思いますよ。
僕は個人的に「​ヘイグ ゴールドラベル」はこの飲み方が一番おいしくいただけた気がします。

総評

僕は今回、30年ぶりぐらいにヘイグを飲みました。
昭和の終わりから平成の初め頃にこのウイスキーをとてもよく見かけたんですよ。
その頃に飲んだ印象があまり無くて、個性の弱い感じだったんですね。
ただ飲みやすいウイスキーだという記憶はありました。
当時ウイスキーといえば水割りやウーロン茶で割ったり、もしくはコーラやジンジャエールで割るのが一般的で、甘味のないソーダで割るハイボールがあまりない時代でした。
僕もその頃はハイボールを飲んでなかったんですよね。
ヘイグが出回っていたあの時代にハイボールが主流だったら、おそらくウイスキーの主役になれてたんじゃないかと思いますね。
今回もトワイスアップや水割りではあまり美味しいとは感じませんでした。
それは1990年代であっても同じ印象だったんじゃないですかね。
もちろん、当時と味わいが同じではないにしろ、同じ銘柄なのである程度近い味だと思うんですよ。
あの時代に今のように強炭酸水などがどこでも売られていて、ウイスキーをそれで割るというのが当たり前だったとするならば、このウイスキーはもっともっと人気が出ていたんじゃないでしょうか。
現在このヘイグは日本でかろうじて出回っている程度なので、本当にもったいないなと思います。

甘味

5.0

酸味

3.0

苦味

5.0

辛味

5.0

燻味

4.0

塩味

4.0

刺激

5.0

コク

5.0

お気に入り度

7.5
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